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ICMJE統一投稿規定(2010年改訂版)

生物医学雑誌への統一投稿規定:
生物医学研究論文の執筆および編集 (2010年4月改訂版)

Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals: Writing and Editing for Biomedical Publication (Updated April 2010) 【Uniform Requirements原文:http://www.icmje.org/

医学雑誌編集者国際委員会
International Committee of Medical Journal Editors

ICMJE統一投稿規定(2010年改訂版) ダウンロード ダウンロード

I. 目的

A. 統一投稿規定について

 1978年、ブリティッシュコロンビア州バンクーバーで、一般的な医学雑誌編集者による小グループの非公式会合が開催され、雑誌投稿規定のガイドラインが制定された。彼らはのちに、 「バンクーバーグループ」 として知られるようになる。このグループが初めて投稿規定を発表したのは1979年であり、そのなかには米国国立医学図書館 [National Library of Medicine: NLM] が作成した文献記載のための書式なども盛り込まれていた。バンクーバーグループはその後、医学雑誌編集者国際委員会 [International Committee of Medical Journal Editors: ICMJE] へと拡大発展を遂げ、会合は毎年開催されている。ICMJEは徐々に規定の範囲を広げ、生物医学雑誌における出版の倫理原則を追加するに至った。

 ICMJEは 「生物医学雑誌への統一投稿規定」 を繰り返し改訂している。近年、投稿原稿の作成という枠組みを超えた問題が浮上してきたことから、編集方針に関する個別の声明をいくつか発表したこともある。統一投稿規定は1997年に全面的な改訂を行い、1999年5月および2000年5月には各セクションの更新も行った。2001年5月には、 「利益相反の可能性」 に関するセクションを改訂した。さらに2003年には、統一投稿規定の全面的改訂および再編成を行い、個別の声明を本文に盛り込んだ。当版は2010年改訂のものである。

 「生物医学雑誌への統一投稿規定」 の内容を教育的および非営利目的で使用することは、著作権の侵害とはならない。ICMJEは統一投稿規定の普及を奨励する。

 統一投稿規定の採用に賛同する雑誌は、その雑誌の投稿要領が本統一投稿規定に準拠している旨を投稿の手引きに記載し、当版を引用するとよいであろう。www.icmje.orgで公表中の 「統一投稿規定に準拠している出版物」 リストに収載されることを望む雑誌は、ICMJE事務局まで連絡していただきたい。

 ICMJEは、一般的な医学雑誌の小規模なグループであり、会員を募集している組織ではない。ただし、新たな展望を与えてくれると判断した場合は、雑誌や組織を新メンバーまたはゲストとして迎え入れることもまれにある。生物医学出版の編集者等のための会員制組織としては、世界医学誌編集者協会 [World Association of Medical Editors] (www.WAME.org) 、科学編集者評議会 [Council of Science Editors] (www.councilscienceeditors.org) 、および欧州科学編集者協会 [European Association of Science Editors] (www.ease.org.uk) がある。

B. 統一投稿規定の利用者

 ICMJEが統一投稿規定を策定した目的は、生物医学分野において、正確で明瞭簡潔かつ容易にアクセス可能な論文を作成・配布するという、著者と編集者の共同作業を支援することである。最初のいくつかのセクションでは、生物医学雑誌への投稿原稿を評価・改善・掲載する過程の倫理原則について述べ、また、編集者と著者、査読者、メディアとの関係について記述した。それ以降のセクションでは、投稿原稿の作成・提出に関わるより具体的な問題について述べている。本統一投稿規程は全般にわたって、著者と編集者の双方に関連する事項を取り上げた。

 本統一投稿規定は、査読者、出版社、メディア、患者とその家族、一般の読者など、その他の多くの関係者に対しても、生物医学研究の原稿執筆および編集過程における有用な情報を提供するものである。

C. 統一投稿規定の使い方

 統一投稿規定は、研究の実施と報告における倫理原則について述べ、編集および執筆に対し具体的な推奨を提示するものである。これらの推奨は、長年にわたって蓄積されてきた、多数の編集者や著者による共通の経験に基づくものがほとんどであり、 「根拠に基づいている (evidence-based) 」 ことが求められる系統的かつ計画的な調査結果に基づいているわけではない。ただし、推奨には、それぞれの理論的根拠 ( 「本文書は教育的目的を果たす」 など) を可能なかぎり添えるようにした。

 先述のとおり、著者は当文書の推奨を可能なかぎり遵守することにより、投稿する雑誌の如何を問わず、報告内容の質と明瞭性を高めることができ、同時に編集作業も容易になる。その一方で、雑誌にはすべて、その雑誌の目的に即した独自の編集規定がある。著者は、投稿先の雑誌の 「投稿規定」 について具体的に把握し、従う必要がある。たとえば、その雑誌に適したトピックの選択や、提出してもよい論文の種類 (原著論文、レビュー、症例報告など) である。

II. 研究の実施と報告における倫理的事項

A. 原著者および研究貢献者
1. 著者名の表記

 「著者」 [author] とは通常、投稿された研究において大きな知的貢献を果たした人物と考えられ、生物医学における原著者とは、学術的にも社会的にも、また経済的にも大きな意味合いをもっている1) 。著者は、投稿原稿の少なくとも一部 [at least one component of the work] に責任を負うとともに、それぞれの原稿構成部分 [each other component] の責任者を特定できなくてはならず、理想的には、共著者の能力や信頼性にも確信をもっているべきである。これまで論文の読者は、著者として名を挙げられている人物および謝辞に示されている人物が、その研究にどのような貢献をしたのかについての情報を与えられることはほとんどなかった2) 。しかし近年では、少なくとも原著論文については、研究の参加者として氏名が掲載された人物がどのように貢献したかの情報が求められ、これを掲載する雑誌も出てきた。研究貢献者についての方針 [contributorship policy] および投稿原稿全般に責任をもつ人物の特定についての方針を、編集者が確立し、実施することが強く望まれている。

 研究貢献者および保証者についての方針 [contributorship and guarantorship policies] を打ち立てることで、研究への貢献にまつわる曖味な状況はずいぶんと解消されるが、その一方で、著者資格としてはどれだけの質と量の貢献が必要なのかという問題については、未解決のままである。ICMJEは、以下の点を著者資格の基準として推奨する。これらの基準は、著者を研究貢献者と区別する雑誌においてとくに有用である。

  • 著者資格は、以下の3点に基づいて認められるべきである。①構想およびデザイン、データ取得、データ分析および解釈において相応の貢献がある、②論文作成または重要な知的内容に関わる批判的校閲に関与した、③出版原稿の最終承認を行った。著者として認められるためには、以上すべてを満たさなくてはならない。
  • 多施設からの相当数の研究者が研究に関わっていた場合、投稿原稿についての直接の責任者が明らかになっていなければならない3) 。この責任者は、上述の著者/研究貢献者としての基準を完全に満たしている必要があり、編集者は責任者に対し、 「投稿原稿執筆者および利益相反開示フォーム」 の記入を要請する。グループとして執筆した原稿を投稿する場合、連絡先となる代表著者 [corresponding author] は、希望する引用形式を明示し、著者基準を満たすメンバーの氏名とグループ名称とを明示する必要がある。その他のグループのメンバーについては通例、謝辞においてその名が列挙される。NLMは、グループ名とともに、原稿の直接責任者の氏名をインデックス化しており、 「謝辞」 の項に列挙された研究者の氏名についてもリスト化している。
  • 資金の確保、データの収集、研究グループの一般的な監督 [general supervision] に携わっただけでは著者資格を認められない。
  • 著者とされた人物はすべて著者資格を満たし、また著者資格を満たす人物はすべてその名が列挙されていなければならない。
  • 各著者は研究に十分な関与をし、その研究の特定の部分については公的責任を負う。

 近年では、研究開始から雑誌掲載に至るまで投稿原稿作成全般に責任を有する著者を「保証者」[guarantors] として明確にするよう要請し、そういった情報を掲載する雑誌もある。

 多施設共同試験の著者資格はグループに帰属するケースが増えてきている。著者とされたグループメンバーはすべて上述の著者/研究貢献者資格を完全に満たしていなければならない。

 出版のために原稿を投稿する前に、グループは合議により研究貢献者/著者について取り決めをしておかなくてはならない。代表著者/保証者は研究貢献者/著者の存在やその記載順序について説明できるようになっていなければならない。著者/研究貢献者資格を判断することや著者資格に関連したことについての調停は、編集者の役割ではない。

2. 謝辞に列挙される研究貢献者

 著者資格の基準を満たさない研究貢献者はすべて、 「謝辞」 の項に列挙すること。その例としては、技術面に限定した協力者、執筆の補佐者 [writing assistance] 、一般的な支援のみを行った部門長 [department chairperson] などがあげられる。また、編集者は代表著者に対し、研究デザイン、データの収集、データの解析、原稿の準備について、補佐が行われたかどうかを明らかにするよう求めるべきである。もし、そのような補佐が行われたなら、著者は行った人たちを特定し、発表される論文の中で支援があったことを開示するべきである。経済的および物質的支援についても列挙する必要がある。

 投稿原稿に物質的に貢献しながらも、その貢献が著者資格を満たさないグループ員については、 「臨床研究者」 [clinical investigators] または 「参加研究者」 [participating investigators] という見出しのもとに列挙し、その役割または貢献については、 「学術的助言者として貢献」 [served as scientific advisors] 「研究デザインの批判的校閲」 [critically reviewed the study proposal] 「データ収集」 [collected data] 「被験者の提供およびケア」 [provided and cared for study patients] などのように記述する。

 それらの人物は研究のデータおよび結論を保証する立場にあると読者は考えるので、その名を列挙することについて各々から書面の承諾を得る必要がある。

B. 編集者
1. 編集者の役割

 雑誌の編集者 [editor] とは、その雑誌の全内容についての責任者である。医学雑誌の所有者 [owner] および編集者には、雑誌の目的やコスト性の見合う、かつ信頼性の高いわかりやすい雑誌を出版するという共通の目的がある。しかし、雑誌の所有者と編集者とでは、役割に違いがある。所有者には、編集者を任命および解任する権利、そして経営上の重要な判断を下す権利がある (この判断には編集者もできるかぎり関与するべきである) 。編集者は、雑誌の編集内容に関する意思決定については全権を委任されていなければならない。そして編集者は、たとえ解任の危機においても、編集の自由という概念を堅守する必要がある。この自由を確保するためにも、編集者は出版代表者ではなく最高レベルの所有者に直接交渉できるようになっていなければならない。

 医学雑誌の編集者は、編集者の権利と義務、一般的な任用条項および紛争を解決するための手順が明示された契約を結んでいる必要がある。

 独立した編集顧問委員会 [editorial advisory board] は、編集方針を確立し維持するうえで有用な知見を、編集者に与えてくれるであろう。

2. 編集の自由

 ICMJEは、世界医学雑誌編集者協会の定義 [World Association of Medical Editors' definition] による編集の自由 [editorial freedom] を採択している。この定義によると、編集の自由および独立性とは、編集長が雑誌の編集内容および出版の時期に関する全権を有していなければならないという概念である。雑誌の所有者は、個々の論文の評価、選定、編集業務に対し、直接的に介入したり、編集者の意思決定に強く影響を与えるような環境をつくりだすことをしてはならない。雑誌の所有者は、契約上の合意の一環として補遺版 [supplements] を発行することを編集者に要求してはならない。編集者は、雑誌がどれだけ売れるかということではなく、論文の妥当性、およびその論文が雑誌の読者にとっていかに重要であるかに基づき、意思決定を行うべきである。また編集者は、たとえ出版者側の営利目的に反するものであっても、報復を恐れることなく、すべての医学的側面について批判的かつ信頼に足る見解を示さなくてはならない。編集者および編集者組織には、編集の自由という概念を堅守し、自由が著しく侵害された場合には、国際的な医学会、学術団体、一般社会にそれを示す義務がある。

C. 査読

 公平で独立した批判的評価は、科学的プロセスを含むすべての学術的作業に固有の要素である。査読 [peer review] とは、編集スタッフ以外の専門家による投稿原稿の批判的評価であり、科学的プロセスの延長上にある重要なプロセスと考えられる。その実際の価値についてはほとんど研究されておらず、さまざまな議論があるが4)、査読によって、編集者は雑誌掲載に適している原稿を決定することができ、また著者および編集者は報告内容の質を高めることができる。査読誌 (ピアレビュー誌) では、掲載論文の大半を外部の専門家による査読にかけている。査読に回される原稿の数および種類、査読者の数、査読の手順、査読者の意見の用い方はさまざまである。透明性を確保するためにも、各誌は 「投稿規定」 において、査読についての方針および標準査読期間を公開するべきである。

D. 利益相反

 査読プロセスおよび掲載論文の妥当性に対する社会の信頼は、論文の執筆および査読、編集上の意思決定において利益相反 [conflicts of interest] がいかに処理されたかによってある程度左右される。利益相反は、著者 (あるいは著者の所属機関) 、査読者または編集者が、自らの意思決定に不適切な影響 (バイアス) を与えうる財政的または個人的な利害関係を有する場合に問題となる (このような利害関係を、二重契約 [dual commitments] 、相反利益 [competing interests] 、競合する忠誠 [competing loyalties] ともいう) 。これらの利害関係は、影響力がごくわずかなものから意思決定に多大な影響力をもつものまで多様である。すべての利害関係が本当の意味での利益相反であるわけではない。その一方で、利害関係が自らの科学的判断に影響を与えることを本人が認識していなくても、利益相反は存在する可能性がある。財政的利害関係 (雇用、顧問、株式の所有、謝礼金、報酬を受けた専門家証言など) は、もっともわかりやすい利益相反であり、雑誌、著者、そして科学そのものの信頼性をもっとも損なうものといえる。しかし、個人的利害関係、学問的競争、知的情熱など他の理由によっても利益相反は起こりうる。

 査読および出版におけるすべての関係者は、利益相反の可能性があると考えられるすべての利害関係を開示しなければならない。論説やレビューにおいても、そのような利害関係を開示することは重要である。というのも、論説やレビューにおいてバイアスを検出することは、原著論文の場合よりも困難だからである。編集者が編集上の決定を行う際には、利益相反および財政的利害関係が開示されている情報を用いるとよい。この情報が原稿を評価するうえで重要であると考える場合には、編集者はそれを掲載するべきである。

1. 個々の著者の責任に関わる利益相反の可能性

 著者が原稿を投稿する際は、論文であれレターであれ、原稿にバイアスを生じさせうる財政的および個人的な利害関係を開示する責任がある。曖昧さを避けるために、著者は利益相反の可能性の有無について明確に示さなければならない。それらは、原稿のタイトルページに続く 「利益相反申告ページ」 において明示し、また必要であれば、原稿に添付する力バーレターに詳細も加える。 (IV.A.3.利益相反申告ページの項参照) ICMJEは、利益相反を開示するための統一書式を開発し、2009年から試験的に、ICMJEに加盟する雑誌が利用している。現在使われている書式は第二版である。ICMJE非加盟の雑誌にも、自由にこの書式を採用してもらいたい。

 著者は、執筆やその他の作業を補佐した人物を明らかにし、補佐のための資金源を開示しなければならない。

 研究者は、被験者に対して、利益相反の可能性を開示しなければならず、それを行なったか否かについて原稿上に明記する必要がある。編集者も、著者が示した利益相反の可能性に関する情報を公表すべきかを判断する必要がある。疑わしい場合でも、掲載するに越したことはない。

2. 研究支援に関わる利益相反の可能性

 営利企業、私立財団、政府による資金提供 [funding] を受ける個人研究は増加している。資金提供の条件によっては、バイアスとなる可能性があり、研究の信用を損ないかねない。

 科学者は、信頼のおける研究結果を掲載する倫理的義務を負う。さらに研究者は、データを閲覧し、独自にデータを分析し、原稿を作成し、公表することが妨げられるような取り決めを交わしてはならない。研究の資金提供者 (スポンサー) が存在する場合、著者は試験デザイン、データの収集・分析・解釈、研究報告の執筆、論文投稿に関する意思決定におけるスポンサーの役割を記述すべきである。スポンサーのそのような関与がなかった場合も、著者はその旨を明記する。スポンサーが研究に直接関与する際に生じる可能性のあるバイアスは、方法論的バイアスに類似するものである。そのため、 「方法」 の項でスポンサーの関与についての情報を加えるようにしている雑誌もある。

 研究のアウトカムに特許上または財政的な利害関係のある機関から資金提供を受けた研究の著者に対し、編集者が 「わたしは当研究における全データの閲覧権を有しており、データの統合およびデータ分析の正確性については全責任を負う」 というような供述書への署名を求める場合がある。特定のプロジェクトに関する研究については、編集者は掲載を許可する前に、プロトコールおよび/または契約書のコピーを審査したほうがよい。編集者は、全データの統計分析を、独立した生物統計学者に依頼することがある。著者の投稿する権利に対してスポンサーが断定的な権力を有していた場合は、編集者は論文の検討を却下する可能性がある。

3. 編集者、雑誌スタッフ、査読者の責任に関わる利益相反の可能性

 編集者は、外部の査読者を採用するにあたり、いずれかの著者と同じ部門または機関に勤務しているなど、明らかに利益相反の可能性がある人物は回避すべきである。また、利益相反の可能性 (通常職業上の) があるため、著者が編集者に、自分の原稿の査読を依頼すべきではない人物の氏名を提示することもよくある。可能であれば、著者にその懸念事由を説明あるいは正当化するよう求めるが、この情報は編集者が著者の要請を受け入れるかどうかを判断する際に重要である。

 査読者は、原稿に対する自らの見解にバイアスを生じさせかねない利益相反はすべて編集者に開示し、バイアスが生じる可能性がある場合は査読を辞退するべきである。著者の場合と同様、査読者が利益相反の可能性について言及しないということは、開示しなかったが実際には利益相反が存在する場合と、本当に存在しない場合との両方が考えられる。そのため、査読者も利益相反の可能性の有無を、明確に言及するよう求められるべきである。査読者は、出版に先立ち、査読した論文から得た知識を自らの利益を追求する目的で流用してはならない。

 原稿について最終決定を下す編集者は、自らが審査する掲載号について、いかなる個人的、職業的、および財政的な関与も有してはならない。その他の編集スタッフも、編集上の意思決定に参加する場合は、自らの財政的利害関係 (編集上の判断に影響する可能性がある場合) を編集者に申告し、自らの利害に関わる意思決定は辞退するべきである。編集スタッフは、編集作業から得られた情報を個人的利益のために流用してはならない。編集者は、雑誌スタッフの責任に関わる利益相反の可能性を開示する声明を定期的に掲載すべきである。

E. プライバシーと機密保持
1. 患者および研究参加者

 患者にはプライバシーを守る権利があり、これはインフォームドコンセントを得ることなしに侵されることがあってはならない。名前、イニシャル、病院番号など、患者を特定しうる情報は、これらの情報が科学的目的のために必要不可欠であり、かつ患者 (あるいはその親または後見人) が掲載に同意することを書面で提示しないかぎり、記述、写真、系図においてそれらの情報を掲載してはならない。この趣旨のインフォームドコンセントを得るためには、特定される可能性のある患者に掲載予定の原稿を提示する必要がある。また、著者は、出版された印刷物だけでなくインターネットによっても患者が特定される可能性のある情報があるかについて、これらの患者に対して明らかにするべきである。地方条例や法律で定められているように、患者の同意書を得る必要があり、雑誌社または著者、あるいは両者はこれを保管しなければならない。法律の適用は地域によって異なるため、雑誌社は法的手引きを含む独自の方針を設定すべきである。雑誌社が患者の同意書を保管すると患者の身元が分かってしまうことから、雑誌社によっては、患者の機密保持をさらに保護するために、著者に同意書を保管させることもある。その場合は代わりに、著者が患者から文書による同意書を得て保管していることを証明する書類を、雑誌社に提供する。

 患者についての非本質的な詳細の記載は省略すべきである。匿名性を維持できない可能性がある場合は、インフォームド・コンセントを得る必要がある。たとえば、患者の写真の目元部分を隠すだけでは匿名性の保護としては不十分である。匿名性を保護するために遺伝系図などの患者情報を変更した場合、著者はその変更が科学的見解を歪めることがないことの確証を提示し、編集者もその旨を言及しなくてはならない。

 インフォームドコンセントに関する規定は、雑誌の 「投稿規定」 に記載する。インフォームドコンセントを得た場合は、掲載記事においてその旨を明示する。

2. 著者および査読者

 投稿論文の査読は、著者の機密保持を十分に配慮して行う。投稿論文を査読者 [reviewer] に提出する際、著者は自らの科学的研究および創造的努力の成果を編集者に託しているのであり、そこには著者の名声とキャリアがかかっている。投稿論文の査読期間に機密事項が開示されると、著者の権利が侵害される可能性もある。査読者にも機密保持の権利があり、それは編集者により配慮される。偽りや不正が疑われる場合は機密保持が侵害されることもあるが、それ以外は常に尊重されなくてはならない。

 編集者は、投稿論文についての情報 (投稿論文の受理、内容、査読の進捗状況、査読者による批判的見解、最終的な処理について) を、著者および査読者以外には開示してはならない。法的手続きのために資料を利用したいという要請に対しても同様である。

 編集者は査読者に対し、査読に提出された投稿論文は証言拒否の認められる事項であり、著者の私有財産であるという旨を明確に示す必要がある。それゆえ、査読者および編集スタッフは著者の権利を尊重する義務があり、投稿論文が掲載される前に著者の研究について公然と討議したり、その研究のアイデアを盗用したりすることがあってはならない。査読者は、編集者の許可がないかぎり、自らの控えとして原稿のコピーをとることは禁じられており、原稿を第三者と共有してはならない。査読結果を提出後、査読者は投稿論文のコピーを返却または破棄しなくてはならない。編集者は、不採用となった投稿論文のコピーを保管してはならない。

 査読者のコメントは、査読者、著者、編集者の許可がないかぎり、掲載または公表してはならない。

 査読者が匿名であるべきかについては賛否両論がある。著者は、投稿先に選んだ雑誌の 「投稿規定」 を参照し、査読者が匿名の扱いになっているかを確認しておく。査読者のコメントに署名がない場合は、査読者の許可がないかぎり、著者またはその他の誰にも査読者の身元が明らかにされてはならない。

 論文に査読者のコメントを添えて掲載する雑誌もある。その場合には、かならず著者と査読者の同意を得なければならない。しかし、査読者の学習を支援するものとして、ある査読者のコメントを同じ投稿論文の査読者に送付することは奨励されるべきである。査読者が掲載の可否についての編集者の最終的な決定内容を知ることもよいであろう。

F. 研究における被験者および実験動物の保護

 ヒトを対象とした研究を報告する場合、著者はその研究方法が、ヒトを対象とした研究を管理する (施設内および国家) 委員会の倫理基準、および1975年に採択されたヘルシンキ宣言 [Helsinki Declaration]5) の2008年改訂版に準拠していたかを明示しなければならない。その研究がヘルシンキ宣言に準拠して実施されたかが疑われる場合、著者は自らの研究方法の理論的根拠を説明し、研究上の不明瞭な部分については施設内倫理委員会が承認していることを明示する必要がある。動物を対象とした研究の報告においては、著者は所属機関および国家の規定する実験動物の管理と使用についてのガイドに準拠したか否かを明示すべきである。

III. 生物医学雑誌の掲載に関わる出版および編集における問題

A. 否定的な結果の研究を掲載する義務

 読者と関わりの深い重要な問題を取り上げ、細心の注意をもって実施された研究については、編集者は、主要評価項目であれ付加的項目であれ、統計学的有意性の有無にかかわらず、掲載を真剣に検討すべきである。統計学的有意性が不足しているために、研究結果を投稿または掲載しないことは、出版バイアスを生じさせる重大な原因となる。

B. 訂正、撤回、 「懸念表明」

 編集者は、著者が報告する研究が公正な観察に基づいていることを前提としている。それにもかかわらず、二種類の問題が生ずる。

 第一に、掲載記事における誤記 [error] が発覚することもある。その場合、訂正記事または正誤表を掲載する必要がある。訂正記事は数字のついたページに掲載して目次に載せ、元の引用を掲載し、オンラインの場合は、訂正される論文と訂正記事が互いにリンクされていなければならない。誤記が研究全体の質を損なうほど深刻な場合もありうるが、それはまれであり、誤記は著者および編集者が個々の事例ごとに対処すればよい。ここで述べる誤記は、通常の研究過程における新しい科学的知見の出現によって明らかとなった不備 [inadequacy] と混同されてはならない。後者については訂正や撤回の必要はない。

 第二の問題は、科学的な不正 [scientific fraud] である。研究の誠実性 [honesty] または公正性 [integrity] について大きな疑問があがった場合、投稿原稿または掲載原稿の如何に関わらず、その問題が適切に追求されることを保証することは編集者の責任である。問題の追及は通常、著者のスポンサーにより行われる。一般的には、全面的調査を実施したり、その責任が研究を行った機関または資金を提供した機関のどちらにあるのかを判断したりすることは、編集者の責務ではない。編集者は最終決定の通知を迅速に受け、不正な論文がすでに掲載された場合は、その雑誌は撤回 [retraction] を掲載しなくてはならない。この調査方法が満足のいく結論でなかった場合、編集者は独自の調査を遂行することもできる。撤回の代案として、編集者は研究の実施または統合についての懸念表明 [expression of concern] を掲載してもよい。

 撒回または懸念表明は、雑誌またはオンライン資料の目立つ項において数字のついたページに掲載し、目次に載せ、その見出しには元の原稿のタイトルを提示する。単に、編集者への手紙 [letter] としてはならない。撤回声明の筆頭著者と元の論文における筆頭著者は同一人物であるのが理想であるが、状況によっては、編集者は他の責任者による撤回声明を認める場合もある。撤回声明の本文では、論文が撤回される理由を説明し、元の論文の引用を示す。

 不正な論文を書いた著者が行った過去の研究は、妥当性が疑わしい。編集者はその著者の所属機関に対し、過去に雑誌掲載したその著者らによる研究について、妥当性の検証もしくは撤回を要請することができる。これが行われなかった場合、編集者は過去に掲載された研究論文の妥当性が定かでないという旨の告知文を掲載できる。

 編集上あるいは科学的な不正に関する疑問がある編集者は、Committee on Publication Ethics (COPE) が作成した優れたフローチャート (www.publicationethics.org.uk) を利用するのがよいかもしれない。COPEは1997年に設立された評議会で、そこでは査読誌の編集者たちが科学的記録の完全性について論議している。COPEは、出版課程における倫理的な問題に関して、編集者が報告したり、列挙したり [catalogue] 、調査を推進することを、支援し奨励している。COPEの主たる目的は、研究および出版倫理における違反を取り扱うのに最適な方法を探っている編集者に一つの見解を提示する [provide a sounding board] ことにある。

C. 著作権

 多くの生物医学雜誌は、著作権 [copyright] を雑誌側に移讓するよう著者に要請する。しかし、無料でアクセスできる学術雑誌が増えており、この場合は著作権を移譲する必要はない。編集者は、著者および雑誌の編集記事の利用を考える人々に対し、著作権移譲についての立場を明確にしなくてはならない。同一の雑誌においても、掲載論文の著作権状況は一様でなく、著作権の対象とならない論文 (たとえば、米国およびその他の政府の公務員が業務の一環として執筆した論文) もあれば、著作権の他者への放棄に編集者が同意するものや、連載権のもとで保護されている論文 (電子出版など、雑誌以外への掲載が認められる論文) もある。

D. 重複出版 [overlapping publication]
1. 多重投稿 [duplicate submission]

 ほとんどの生物医学雑誌は、同時期に他誌が選考している原稿を選考することはない。この方針に至った理由のうち主要なものは、1) 2つ以上の雑誌に同時に投稿された論文の掲載権について、雑誌社間でもめる可能性、および 2) 2つ以上の雑誌が、知らないままに不必要な同一原稿の査読と編集を行い、同じ論文を掲載してしまう可能性である。

 しかし、同時掲載することが公衆衛生 [public health] に対してもっとも有益であると判断した場合は、異なる雑誌の編集者が同時または合同で同じ論文を掲載することもある。

2. 余剰出版 [redundant publication]

 余剰出版 [redundant publication] (または多重出版 [duplicate publication] ) とは、すでに活字や電子媒体により掲載された論文と大部分が重複する論文を掲載することである。

 一次資料としての雑誌の読者は、著者および編集者が意図的に論文を再掲載していることが明示されていないかぎりは、印刷物であれ電子媒体であれ、掲載論文はすべてオリジナルであると信じるのが普通である。この見解の根拠となっているのは、国際著作権法、倫理規範、対費用効果の高い資源利用である。原著論文の多重出版 [duplicate publication] はとくに問題であり、1つの研究に対して不注意による二重計算が行われたり、研究結果の不適切な解釈が行われたりすることが考えられ、現存するエビデンスを歪曲してしまう。

 たいていの雑誌は、活字または電子媒体に関わらず、その大部分が既存の掲載論文においてすでに報告されている研究や、他誌へ投稿または受理された他の論文において報告されている研究の論文を受け取ることは望まない。この方針は、他誌で不採用となった論文や、学会発表のために作成された抄録やポスターなどの予備的報告に続く最終報告の掲載検討を妨げるものではない。またこの方針は、学会発表のみ行ったが完全な報告はまだされていない論文や、記録集 [Proceedings] またはそれに類似する形式での掲載が考えられている論文の掲載検討も妨げはしない。定期的な学術集会の短い新聞報道は、通常この方針の違反とはみなされないが、データの追加や図表の複写により詳しい記述を行うと、違反となることもある。臨床試験登録で記入された結果は、ICMJEが承認している、試験方法の新規登録を行う登録システムで記入した結果と同じである場合や、簡素な構造化抄録や表で示された場合には、ICMJEは過去の出版とみなさない。またICMJE は、研究結果の登録は、可能なときに研究結果が完全な形で出版されるか、あるいはその研究結果が査読の行われる雑誌において出版されたことがない旨の記述を含むかの、どちらかの形をとらねばならないと考えている。

 原稿の投稿にあたり、著者は編集者に対し、余剰出版または多重投稿とみなされる可能性のある研究は、すべての投稿原稿および既発表論文 (学術集会での発表や、結果が臨床試験登録され公表されたものを含む) について常に完全な申告をしなければならない。過去の報告で発表した内容が原稿に含まれている場合や、すでに他誌に関連する報告を投稿している場合、著者は編集者に注意を喚起しなければならない。このような場合はすべて、新しい原稿においてその旨を明記し、参照を示す。それら資料のコピーを投稿原稿に添付することは、編集者が問題の対処法を決める際に有用である。

 そのような届け出がなく、余剩または重複出版の試みや発生が明らかとなった場合、著者は相応の編集処置がとられることを覚悟しなくてはならない。少なくとも、投稿原稿はすみやかに不採用になることが考えられる。編集者が規定違反に気づかず、そのような論文を掲載してしまった場合には、著者による説明または承諾の有無を問わず、余剰または重複出版の通知が掲載されることになる。

 受理はされたがまだ掲載されていない論文または投書の中で記述されている科学的情報を、大衆メディア、政府機関、または企業に対し予備的に報告することは、多くの雑誌の方針に反する。ただし、論文または投書の内容が、治療技術の大きな進展や公衆衛生上の危機 (たとえば、薬剤、ワクチン、その他の生物学的製剤、医療機器における重篤な有害事象、または申告義務のある疾病) に関わる場合は、予備的な報告が認められる場合がある。このような報告によって論文の掲載が危ぶまれてはならないが、編集者と事前に討議し、承認を得ておくことが必要である。

3. 容認される二次出版 [secondary publication]

 政府機関および学会によって制定されたガイドラインなど、ある種類の論文はできるかぎり多くの読者に行き渡る必要がある。その場合に編集者は、著者および他誌の編集者の同意を得たうえで、他誌に掲載されることになっている原稿をあえて掲載することがある。その他さまざまな理由による二次出版 [secondary publication] は、同じ言語または他の言語であっても、とくに他国における場合は、以下の条件を満たしていれば、正当かつ有益であると考えられる。

  • 1. 著者が両方の雑誌の編集者から許可を得ていること。二次出版に関わる編集者は、初版のコピー、別刷、または原稿をもっていなければならない。
  • 2. 初版の優先権を尊重するため、二次出版までには少なくとも1週間をおくこと (双方の編集者による別途取り決めがある場合はこのかぎりではない)。
  • 3. 二次出版の論文が異なる読者層を対象としていること。要約版で十分と考えられる場合もある。
  • 4. 二次出版の内容は、初版のデータおよび解釈を忠実に反映していること。
  • 5. 二次出版のタイトルページに掲載される脚注において、その論文全体あるいは一部は過去に掲載されたことがあるという旨を読者、査読者、著作権管理機関に対して告知し、初出文献を示すこと。適切な脚注例とは、 「本論文は [雑誌名および詳細な書誌事項] にて最初に報告された研究に基づくものである」 のようなものである。このような二次出版の許可は無料とすべきである。
  • 6. 二次出版のタイトルは、その論文が初版の二次出版であること (完全な再出版、要約された再出版、完全な翻訳版、要約された翻訳版) を明示していること。ただし、NLMは翻訳版を 「再出版」 [republication] とはみなさず、MEDLINEに索引付けされている雑誌に原著が出版された場合は、翻訳版には引用または索引付けを行わないことに注意する必要がある。
  • 7. 同時に数カ国の言語で出版する編集者は、NLMは主要言語によるバージョンをインデックスすることを理解しておくべきである。雑誌発行の際に2つ以上の言語で論文全文が掲載される場合 (たとえば英語とフランス語で表記されるカナダの雑誌) は、MEDLINEの引用には両方の言語名が表示される (例:Mercer K. The relentless challenge in health care. Healthc Manage Forum.2008 Summer;21 (2) :4-5. English、French. No abstract available. PMID: 18795553.) 。
4. 同一研究について執筆された競合原稿 [competing manuscript]

 共同研究者間の論争を発表するための論文を掲載することは誌面の無駄であり、読者を混乱させる行為である。その一方で、研究組織の一部の研究者のみが執筆した原稿であることを編集者が知りながら掲載することは、その他の研究者の正当な共同著者の権利を否認することになりかねず、また、ある研究の解釈に対する論理的な見解の相違について知る機会を読者に与えないことにもなる。

 競合原稿 [competing manuscripts] の投稿においては、2つの状況が考えられる。すなわち、研究の分析および解釈について意見を異にする共同研究者による投稿と、事実が何であるかおよびどのデータを報告すべきかについて意見を異にする共同研究者による投稿である。

 データの所有権に関する未解決の問題についてはここでは触れないが、以下に示す一般的な見解は、編集者およびその他の人々がそのような問題に対処する際の参考となるであろう。

a. 分析または解釈における見解の相違

 見解の相違がデータの分析または解釈について集中している場合、著者は双方の見解を明確に記述した原稿を投稿するべきである。見解の相違についてはカバーレターで説明する。外部および編集者が行う通常の査読プロセスは、著者が分析または解釈に対する見解の相違を解消する際の参考となるであろう。

 見解の相違が解消されず、かつその研究が掲載に値する場合は、双方の意見を掲載する。選択肢としては、同じ研究について二つの論文を掲載する場合と、一つの論文で二つの分析または解釈を述べる場合が考えられる。このような場合、編集者は見解相違の内容およびその解消に向けた雑誌側の関与についての概要を掲載するのが望ましい。

b. 報告された方法または結果における見解の相違

 見解の相違が、 「研究において実際に何が行われ、何が観察されたのか」 について集中している場合、雑誌の編集者はその相違が解消されるまでは掲載を拒否するべきである。そのような問題が原稿査読により解決されることは期待できない。虚偽または不正の疑いがある場合は、編集者はしかるべき委員会に通告し、著者に対しても、研究における不正の疑いを通告しようとしている旨を通知する。

5. 同一のデータベースに基づいて執筆された競合論文 [competing manuscript]

 編集者は、公共のデータベースなど、同一のデータを分析した異なる研究グループからの投稿を受けることがある。それぞれの投稿論文は、分析手法、結論、またはその両方が異なっていることが考えられるため、投稿論文ごとに個別に検討しなければならない。同一のデータに対する解釈が非常に類似している場合、編集者は最初に受けつけた投稿論文を優先するのが無難であるが、かならずそうする必要はない。しかし、複数の投稿論文を編集上の考慮にあげることはこの場合には正当なことであり、異なる分析方法が相互補完的に働き、また同様に有効なものであることが考えられるため、複数の論文を掲載する意義も十分にある。

E. 通信欄

 雑誌の通信欄においては、当該の代表著者/保証者が主として責任をもつべきであろうが、ICMJEは、編集者は記載されている著者すべてに投書のコピーを送ることを推奨する。

 生物医学雑誌は読者に対し、掲載論文についてのコメント、質問、批判の投書はもちろん、掲載論文とは関係のない短報 [brief report] や解説 [commentary] も投書できるような仕組みを提供すべきである。通常これは通信欄 [correspondence] またはコラムの形式をとるが、このかぎりではない。投書において言及された論文の著者には、可能であればその投書と同じ掲載号において、返答の機会が与えられるべきである。投書の執筆者は、相反利益や利益相反について申告することが求められる。

 掲載される投書は、分量、文法的正確性、雑誌のスタイルに合わせて編集を加えられることがある。代わりに、インターネット上の即応欄 [rapid-response section] などにおいて、未編集の投書を掲載することもある。雑誌はこの件についての編集方針を言明する必要がある。投書の執筆者は、編集上の修正によって自らが執筆したレターや返答書の大意や論調が変わったとしてもこれを了承するべきである。編集者はいかなる場合も、無礼で不正確かつ中傷的な声明は排除するよう努力し、論文の見解または研究結果の信頼性を損なうことを目的とした個人的感情論は容認してはならない。

 編集者には、不適切で無意味かつ説得力に欠ける投書を退ける権利があるが、あらゆる見解を提示する義務もある。通信欄は、雑誌または編集者の見解のみを奨励するためのものであってはならない。

 公正を期し、投書数を管理できる範囲内に保つため、出版物の意見投稿および特定のトピックについての討論には時間的制限を設けることが望ましい。雑誌は、ある掲載論文についての投書が通常または即応欄に掲載されることになった場合、その論文の著者に通知するか否かについても決めておかなくてはならない。さらに雑誌は、オンライン上に掲載する未編集の投書を保管するための方針も制定しておく必要がある。その方針は、雑誌の活字版および電子版のいずれにも掲載する。

F. 増刊号、テーマ特集、特別シリーズ

 増刊号 [supplement] とは、関連する問題やトピックを扱った論文を集めたものであり、雑誌の別冊または通常号の一部として出版され、通常はその雑誌の出版社ではない団体が資金を提供する。増刊号の内容は、雑誌本体の内容よりクオリティが低いことがあるというエビデンスがある6)。資金提供者がトピックや観点を選択することによって増刊号の内容にバイアスが生じる可能性があることから、雑誌は以下の原則の適用を考慮するべきである。同様の原則が、外部の資金提供者または客員編集者が関わるテーマ特集 [theme issue] または特別シリーズ [special series] についても適用される。

  • 1. 雑誌の編集者は、増刊号についての方針、実務、内容について全責任を負い、著者、査読者、増刊号の内容の選定について全権を有する。資金提供者による編集は容認しない。
  • 2. 雑誌の編集者は、増刊号への投稿原稿を外部の査読にかけ、却下する権限を有する。その条件については、増刊号の編集作業を始める前に、著者および外部の編集者に通達していなければならない。
  • 3. 雑誌の編集者は、増刊号のために任命された外部の編集者を承認し、外部の編集者の作業に対して責任を負う。
  • 4. 増刊号のアイデアの源泉、および増刊号で取り上げられている研究、出版物、スポンサー製品の資金源については、増刊号の目立つ場所で (可能であれば各ページにおいて) 、わかりやすく明示されていなければならない。増刊号の資金提供者は、できるかぎり複数のほうがよい。
  • 5. 増刊号における広告は、雑誌本体における広告と同様の方針に従う。
  • 6. 編集者は、読者が通常の編集ページと増刊号のページとを容易に見分けることができるよう配慮する。
  • 7. 雑誌および増刊号の編集者は、増刊号のスポンサーから個人的な贈与や報酬を受けてはならない。
  • 8. 増刊号における二次出版 (他誌で掲載された論文の再掲載) については、原著への参照指示を明示することにより明確にする。増刊号は余剰出版または重複出版を避ける。増刊号では研究結果の再掲載を行うべきではないが、ガイドラインや公共の利益に資する資料については再掲載が適切と判断される場合もある。
  • 9. 本文書で言及した著者資格および利益相反の開示についての原則は、増刊号にも適用される。
G. 電子出版

 ほとんどの医学雑誌が今では活字版と電子版の両方で出版されており、電子版のみで出版されている雑誌もある。電子出版 [electronic publishing] (インターネットを含む) もまた出版には違いないので、透明性および一貫性のため、電子出版された医療および健康情報は、本文書の推奨に準拠すべきである。

 電子出版の性質上、本文書の範疇内外において特別な配慮が必要である。最低限必要な情報として、websiteには 「編集者、著者、研究貢献者の氏名、適切な資格証明書、所属機関、利益相反についての情報」 、 「文献および掲載内容全般についての記載および参照指示」 、 「著作権についての情報」 、 「サイト所有者の開示」 、 「スポンサー、広告宣伝、そして営利団体による資金提供についての情報開示」 を明示する。

 ある健康または医療サイトから他のサイトへのリンク付けは、リンク先のサイトの品質を暗に推奨しているとみなされる場合がある。雑誌は他のサイトへのリンク付けにおいては注意する必要があり、ユーザーが他のサイトにリンクする際には、雑誌のサイトを離れるという明確な記述を提示するとよい。財政的考慮の結果として他のサイトヘリンク付が貼られている場合は、その旨を明示する。掲載日および更新日は、すべて明示されていなければならない。また、電子版のレイアウトにおいても印刷の場合と同様、広告および宣伝のメッセージは編集記事と並べて記載すべきでなく、商業的な内容はその旨をはっきりと明示する。

 電子出版とは流動的である。編集者は、電子出版特有の問題についての方針を策定し、これを著者に通達し、また実行しなければならない。その問題とは、文書の保管、誤記の修正、版の管理、雑誌記録として電子版と活宇版のいずれを選択するか、補助資料の掲載などがあげられる。

 いかなる事情があっても雑誌は、そのwebsiteや記録から論文を削除すべきではない。もし、訂正や撤回が必要な場合、できるだけすみやかに、次号以降において適切なラベルをつけた説明を掲載すべきである。

 永久に保管する電子版の論文を保護することは、歴史記録 [historical record] として必須である。これまで保管された文献は、すばやく入手できなければならず、また、出版社よりむしろ図書館などの第三者によって管理されるべきである。多重に保管されることが推奨される。

H. 広告

 たいていの医学雑誌は出版社の収入源となる広告を掲載するが、このような広告が編集上の決定に影響を及ぼすようなことがあってはならない。雑誌は、活字版と電子版の両方について、広告掲載の方針を正式かつ明確に文書化していなければならない。websiteにおける広告掲載の方針は、活字版の方針に沿ったものとする。編集者は、広告の承認および広告掲載方針の遂行において、全面的かつ最終的な責任を有する。

 可能ならば、編集者は広告を審査する独立機関の審査を活用するべきである。編集記事と広告とは、読者が容易に識別できるようになっていなければならない。同じ製品または同じ対象について編集記事と広告が並んで掲載されるようなことは避けるべきである。論文の間に広告ページを挿入することは、論文内容を中断することになるため、認めるべきではない。また、特定の記事と同じ号に掲載されることを条件とした広告スペースの販売は行ってはならない。

 雑誌の中で広告が優位を占めてはならないが、1社または2社の広告しか掲載しなかった場合、読者はこれらの広告主が編集者に圧力をかけたように受け止める可能性があるため、注意が必要である。

 雑誌は、タバコのような健康に深刻な害をもたらすことが証明されている商品の広告は掲載するべきでない。編集者は広告掲載についての既存の規定または業界の基準を遵守するか、雑誌独自の基準を確立するべきである。法の要請がないかぎり、組織または機関の利益によって案内広告およびその他の非表示広告の内容が規制されてはならない。最終的に編集者は、広告について寄せられたすべての批判について、掲載を検討するべきである。

I. 医学雑誌と一般メディア

 一般の人々 [public] の医学研究ニュースへの関心は、研究についての情報に対する一般メディアの熾烈な争いをもたらした。研究者および研究機関は、学術雑誌への正式な掲載に先立ち、記者会見やインタビューの場を設けることにより、医学とは無関係の一般メディアにおける研究結果の報道を勧める場合がある。

 一般の人々は適当な期間内に重要な医学情報を入手する権利を有し、編集者はそのプロセスを容易にする責任を負う。生物医学雑誌は第一にその読者に向けて出版されるものだが、一般の人々もその内容に関心を抱いている。そのため雑誌は、双方に配慮して適切なバランスをはかりながらメディアと関係を保たなければならない。臨床医は、研究報告の結論について患者に指導する前に、その研究報告の全容を入手しなければならない。さらに、査読を受けて完全に吟味される前にメディアにより学術研究が報道されてしまった場合、不正確または不完全な結論が流布してしまう可能性がある。

 原著論文が雑誌に掲載される前にその内容が一般メディアで紹介されることを防ぐ、記事差し止め制度 [embargo system] が設けられた国もある。この制度は 「平等な条件」 [level playing field] をもたらし、十分に時間をかけて準備していない記事を掲載するという記者の苦悩を最小限にするものであるため、ほとんどの記者はこれに賛同している。また、金融市場に大きく影響を与える可能性のある情報を含む論文もあるため、生物医学情報の一般公開を同時に行うことは、経済的な混乱を最小限にするうえで重要である。その一方で、このような制度は雑誌利害のご都合主義の表れであり、学術情報の迅速な普及を妨げるものであると反発する見方もある。

 これらの問題における方針の確立にあたり、編集者は以下の推奨を参考にするとよい。

  • 編集者は査読誌を介し、研究者から得た医学情報を秩序正しく一般の人々に伝達することができる。そのために編集者は、投稿論文が査読中または掲載待ちの間は研究内容を公開しないという契約を著者と交わし、メディアが正確な記事を準備する際には雑誌が協力するかわりに、原著論文の雑誌掲載前の報道は行わないという契約をメディアと交わすとよい。
  • 記事差し止め制度には法的拘束力や罰則規定はなく、自主管理制度であることを編集者は忘れてはならない。相当数のメディア局または生物医学雑誌がこの制度を無視する決定を出せば、たちまち機能しなくなる。
  • 雑誌における全文掲載に先立ってニュースを報道しなければならないほど、公衆衛生的な重要性が明らかで緊急を要するような臨床的意義を含む医学研究は非常にわずかである。しかし、そのような例外的な状況が起こった場合は、公衆衛生を担当する適切な関係当局が、医師およびメディアへ事前に情報提供するかどうかについて決断を下し、その決定に対して責任をもつべきである。著者および適切な関係当局がある特定の雑誌に原稿の掲載を検討してもらいたい場合は、何らかの公表を行う前にかならず編集者に相談しなければならない。編集者が速報の必要性を認めた場合は、掲載前の公表を制限する方針は放棄する。
  • 掲載前の公表を制限するための方針は、学会における発表内容を取り上げたメディアの記事、または学会発表から作成された抄録に対しては適用しない ( 「余剰出版」 の項参照) 。学会において研究報告を行う研究者は、その発表内容について記者と自由に討論してもよいが、実際に発表された以上の詳細情報を提供することは避けるべきである。
  • 記事の掲載が間近になったときには、編集者はプレスリリースや質疑応答を行ったり、雑誌コピーの事前配布や記者を適切な専門家に紹介したりして、メディアによる正確な報道がなされることを支援する。このような支援は、メディアが報道の時期を論文掲載の時期に合わせることを条件として行う。
  • 編集者、著者、メディアは、雑誌の電子版において早期公開される記事についても、上述の原則を適用する。
J. 臨床試験登録の義務

 ICMJEは、臨床試験に関する包括的で公的な、かつ入手可能なデータベースを充実させていくことが重要だと考える。ICMJEは臨床試験の定義を、 「医療介入とアウトカムの因果関係を検討するために、対象者を前向きに介入群と同時併行 [concurrent] の比較群または対照群を割付けた研究」 とする。医療介入は薬物治療、外科的治療、装置による治療、行動に対する治療、看護方法の変化などを指す。

 ICMJEメンバーの雑誌は、掲載を考慮する条件として、公的な臨床試験登録システムにおける登録を要請する。この方針の詳細は、editorialsの各記述に示した (Frequently Asked QuestionsのEditorialsの項を参照) 。ICMJEは、ICMJE非加盟の生物医学雑誌も、同様の方針を導入することを奨励する。

 ICMJEは特定の登録システムを擁護するものではないが、ICMJEメンバーの雑誌は著者に対し、いくつかの基準を満たす登録システムに彼らの臨床試験を登録するように要請する。そのシステムは、一般の人々が無料でアクセスできる必要がある。それは、すべての見込み登録者に対して開放され、非営利団体により管理されなければならない。登録データの妥当性を保証するための仕組みが必要であり、登録システムは電子的に検索可能であるべきである。データフィールドに空欄のある試験登録、情報価値のない専門用語を含むデータフィールドによる試験登録は不適切である。

 これは重要なことだが、ICMJEが要請しているのは臨床試験の方法論の登録であって、臨床試験結果の登録ではないことに注意してほしい。というのは、独立した査読プロセスを経ていない臨床試験結果を公開すると、問題が起こる可能性があるからである。しかし、ICMJEは米国FDA再生法2007 (Food and Drug Administration Amendments Act of 2007:FDAAA) が、結果の登録を研究者に求めていることを理解している。そのためICMJEは、試験結果がFDAAAの指定した表形式で、最初の登録と同じ主要な臨床試験登録 [訳者注:ClinicalTrials.gov] で公表されたとしても、それを過去の出版とはみなさない。ただし、臨床試験結果がより詳細に記述された場合や、主要な臨床試験登録 (FDAAAの場合にはClinicalTrials.gov) 以外で結果が公表された場合には、ICMJEの推奨に従う雑誌の編集者はそれを過去の出版とみなすかもしれないことを、研究者は認識すべきである。ICMJEは、結果登録に対する風潮は今後劇的に変化していくと予想している。他の機関が結果登録に関する別の指示を制定したときには、ICMJEはこれらの推奨事項を変更する必要がでてくるかもしれない。

 ICMJEは雑誌社に対し、掲載論文の抄録の末尾に試験登録番号を記入して出版することを推奨する。また、著者が報告している試験や原稿の中で言及している他の試験について参照するために略号による試験名称を最初に使うときには、試験登録番号が使えるなら、著者は登録番号を記載することを、ICMJEは推奨する。

IV. 論文の作成および投稿

A. 生物医学雜誌へ投稿する論文の作成

 編集者および査読者は論文の査読に長時間を費やすため、読みやすく編集しやすい論文を送ってもらうと有難い。雑誌の 「投稿規定」 の多くは、各誌独自の編集上のニーズに合った方法で、読みやすく編集しやすい論文を受け取るための情報となっているが、以下に、雑誌を問わずに適用できる、投稿論文の作成におけるガイダンスを示す。

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a. 論文作成における一般原則

 観察および実験論文の本文は通常 (かならずしもそうとはかぎらないが) 、緒言 (序論) [Introduction] 、方法 [Methods] 、結果 [Results] 、考察 [Discussion] のセクションに分割される。このいわゆるIMRAD構造は、恣意的な論文形式ではなく、科学的発見の過程を直接反映したものである。分量の多い論文については、内容を明確にするために一部のセクション (とくに 「結果」 と 「考察」 ) の中に小見出しが必要な場合もある。症例報告、レビュー、論説など、その他の種類の記事については別の形式が必要となる。

 電子形式による出版により、電子版においてのみ、細部または全セクションを追加したり、情報を階層化したり、論文の一部のリンク付けや抽出を行うことなどが可能となった。そのような新しい出版形式を開発または利用するうえで、著者は編集者と密な連携をとる必要があり、電子出版する補遺の原稿を査読にかけるべきである。

 論文の全部分 (タイトルページ、抄録、本文、謝辞、参考文献、各表、図表の説明文) を通してダブルスペースを用い、十分な余白をとることで、編集者および査読者が論文を一行ずつ校正し、論文のコピーに直接コメントや質問を書き入れることができる。電子版に投稿する論文の場合も、査読や編集のためにプリントアウトできるようにダブルスペースで入力する。

 編集作業を容易にするために、著者はタイトルページから始まる論文の全ページに連番でページ番号を振らなければならない。

b. 特定の研究デザインを報告するためのガイドライン

 研究報告ではしばしば重要な情報が抜け落ちている。報告のためのガイドラインは、いくつもの研究デザイン用に今までも作成されてきており、これらのガイドラインに従うよう著者に要請する雑誌もある。著者はそれぞれ選択した投稿誌の 「投稿規定」 を参照しなければならない。

 次項にあげられている一般的要求事項は、すべての研究デザインを対象として、報告において必要不可欠な要素を述べている。さらに著者は、自らの研究デザインについての報告のためのガイドラインを参考にすることが望ましい。報告のためのガイドラインを掲載している優良なサイトとしては、the EQUATOR Network (http://www.equator-network.org/home/) がある。

2. タイトルページ

 タイトルページには以下の情報が掲載されていなければならない。

  • 1. 論文タイトル。長くて複雑なものより簡潔なタイトルのほうが読みやすい。しかし、短すぎるタイトルでは、研究デザイン (とくにランダム化比較試験の特定において重要) のような重要な情報が欠落する可能性もある。著者は、文献検索の感度および特異度を確保するためのすべての情報をタイトルに含めること。
  • 2. 著者の氏名および所属機関。各著者の最高学位の掲載は雑誌により異なる。
  • 3. 研究業績が帰属すべき機関および部署名。
  • 4. 必要であれば、免責条項 [disclaimer] 。
  • 5. 代表著者の連絡先。論文に関する通信に責任を負う著者の氏名、住所、電話番号、FAX番号、E-mailアドレス (この 「代表著者」 は、研究の公正性に対する 「保証人」 を兼任する場合としない場合とがある) 。連絡先となる代表著者は、自らのE-mailアドレスの公表の可否について明示する必要がある。
  • 6. 別刷の依頼先となる著者の氏名および住所、または著者が別刷の依頼に対応できないという但し書き。
  • 7. 助成金、機器、薬剤、またはそれらすべての形態による支援の提供者。
  • 8. 欄外見出し [running head] 。タイトルページの末尾に、通常40文字 (スペース数を含む) 以内の短い欄外見出しまたはフッターを要請する雜誌もある。欄外見出しはほとんどの雑誌において掲載されるが、編集室において論文のファイリングや管理のために使用されることもある。
  • 9. ワード数。本文のみのワード数 (抄録、謝辞、図表の説明文、参考文献を除く) を明示することによって、編集者および査読者は、その論文に与えられる誌面に見合うだけの情報が論文に含まれているか、および投稿論文が雑誌の設ける字数制限内であるかを判断することができる。同様の理由で、抄録について別個にワード数を提示するとよい。
  • 10. 図表の数。図表の数がタイトルページで明記されていないと、必要な図表が確実に含まれているのかどうかを編集スタッフおよび査読者が判断するのは困難である。
3. 利益相反申告ページ

 利益相反 [conflict of interest] が存在する可能性の見落としや置き違えを防ぐために、このような情報は論文の一部となっている必要がある。ICMJEは、利益相反を開示するための統一書式を開発し、ICMJEに加盟する雑誌が利用している (http://www.icmje.org/coi_disclosure.pdf) 。ICMJE非加盟の雑誌にも、自由にこの書式を採用してもらいたい。利益相反についての情報をどこに記載するかは雑誌によって異なり、利益相反に関する情報を査読者に送付しない雑誌もある (II. D. 利益相反の項参照) 。

4. 抄録

 構造化抄録は、原著論文や系統的レビューの場合に好まれる。抄録には、その研究の内容および科学的背景を示し、その研究の目的、基本的手順 (研究対象または実験動物の選択、観察および解析の手法) 、主な所見 (可能であれば具体的なエフェクト・サイズと統計上の有意性を示す) 、主要な結論、資金源を記載する。抄録では、その研究または観察における新規かつ重要な特徴を強調する。臨床試験の論文には、CONSORTが規定した必須項目 (http://www.consort-statement.org/?=1190) を含む抄録が記載されていなければならない。

 抄録は、多くの電子データベースが索引付けを行う論文における唯一の部分であり、また多くの読者に読まれる唯一の個所であることから、抄録が論文の内容を正確に反映しているか、著者は注意する必要がある。しかし残念ながら、多くの抄録が論文の本文と異なる内容となっている7)。構造化抄録の形式は雑誌によって異なり、複数の形式を採用している雑誌もある。著者は、自らが投稿先に選んだ雑誌が指定する形式で、抄録を作成する必要がある。

 ICMJEは、雑誌は掲載論文の抄録の末尾に試験登録番号を記入し、出版することを推奨する。また、著者が報告している試験や原稿の中で言及している他の試験について参照するために略号による試験名称を最初に使うときには、試験登録番号が使えるなら、著者は登録番号を記載することを、ICMJEは推奨する。

5. 緒言 (序論)

 研究の内容および科学的背景を提供する (問題の本質およびその意義など) 。研究または観察の特定の目的または研究目的、研究または観察により検証される仮説について言明する。研究目的は質問形式で提示するとより明確となる。主要および副次目的の両方を明記し、事前に特定されたサブグループ解析はすべて記述する。直接関連する参考文献のみを記し、これから報告される研究のデータや結論は述べない。

6. 方法

 方法のセクションでは、研究の計画またはプロトコールが設定された時点における情報のみを記述する。研究において得られた情報はすべて、結果のセクションで述べる。

a. 参加者の選定および記述

 観察または実験の対象者 (患者または実験動物。対照を含む) を明記し、組入れ基準および除外基準と、その対象が属する集団についての記載も含める。年齢および性別などの変数と研究目的との関連性はかならずしも明確なものではないため、それらの変数が研究報告に含まれる場合には、著者はその意図を説明する必要がある。たとえば、特定の年齢集団に属する被験者のみを対象とした理由、あるいは女性を除外した理由について説明する。原則は、研究がどのように行われたのか、なぜ特定の方法で行われたのかを明確にすることである。人種または民族性などの変数を用いた場合、著者はその変数の測定方法を明確に定義し、研究との関連性を説明しなくてはならない。

b. 技術情報

 手法、装置 (企業名および住所を括孤内に記載) 、手順について、他者がその結果を再現できるよう十分に詳述する。すでに確立された手法については、統計的手法も含め、参考文献を提示する (以下参照) 。すでに公表されているがあまり知られていない方法については、参考文献とともに簡単な説明を加える。新しい手法や大幅に修正された手法については、まずその手法を説明し、その手法を用いる理由を示し、それらの手法の限界を評価する。使用したすべての薬剤および化学薬品の一般名、投与量、投与経路を正確に記述する。

 レビューを投稿する著者は、データの検索、選択、抽出、統合に用いた手法を説明するセクションを設けなければならない。これらの方法は、抄録においても概説されていなければならない。

c. 統計学的手法

 統計学的手法は、見識ある読者が元データにアクセスし、報告された結果を検証できるよう、詳細に記述する。可能であれば、所見を定量化し、測定誤差または不確実性を表す適切な指標 (信頼区間など) とともに提示する。P値などは、エフェクト・サイズに関する重要な情報を伝えないため、このような統計学的仮説検定のみに依拠することは避ける。研究デザインおよび統計学的手法についての文献は、可能であれば、標準的な定評のある研究をあげる (掲載ページを示すこと) 。統計学用語、略語、記号の大半については定義を与える。使用したソフトウェアは明記する。

7. 結果

 研究結果を、本文、表、図版において論理的な順序で提示し、主要または重要な所見を第一にあげる。表または図中のデータのすべてを本文で繰り返すことはせず、もっとも重要な所見のみを強調また概略する。特別資料や補助的資料および技術的詳細については、本文の流れを中断せず、かつ必要に応じて参照できるよう付録 [appendix] に加えておく。または、付録は雑誌の電子版でのみ掲載するようにしてもよい。

 結果のセクションでデータを概説する場合、数値結果においては派生的な数値 (たとえばパーセンテージ) のみではなく、その派生数値の算出に用いられた絶対数値も記載し、それらの解析に用いた統計的手法を明記する。表および図の使用は、論文の議論の説明および支持するデータの評価に必要なものにかぎる。項目が多い場合には表のかわりにグラフを用いるが、グラフと表でデータを重複させないこと。 「ランダム」 [random] (ランダム化の手法を示唆する) 、 「正規」 [normal] 、 「有意」 [significant] 、 「相関」 [correlations] 、 「標本」 [sample] などの統計専門用語を、非専門的な文脈で用いることは避ける。

 学術的に適切な場合は、年齢および性別などの変数によるデータ解析についても記載する。

8. 考察

 その研究の新規で重要な部分と、そこから導き出される結論を、最も利用可能なエビデンスの統合性との関連で重点的に述べる。 「緒言 (序論) 」 または 「結果」 のセクションですでに提示したデータまたはその他の情報については、詳細を繰り返し述べない。実験的研究については、まず主要な結果を簡潔に概略し、次にそれらの結果について考えられる機序や説明の検討、その結果と他の関連研究との比較、研究の限界についての記述、将来の研究や臨床実務に対しその研究結果がもたらす影響についての検討を行うとよい。

 結論は研究目標と関連づけるが、根拠のない言明やデータによる十分な裏づけのない結論は避ける。とくに、論文に適切な経済的データおよび解析が含まれていないかぎりは、経済的利点および費用について言及することは避ける。まだ終了していない研究について先取権を主張したり、そういった研究をほのめかしたりすることは避ける。新しい仮説については、裏づけが得られた場合は言明し、その旨を明確に記す。

9. 参考文献

a. 参考文献についての一般的注意事項

 レビュー論文への参照は、文献の主旨を読者に理解してもらうための効果的な方法かもしれないが、レビュー論文はかならずしも元の研究を正確に反映しているわけではない。そのため、可能なかぎり原著論文への参照指示を示すべきである。その一方で、あるトピックについての原著論文の文献リストが極端に長くなると、誌面の多くのスペースが費やされてしまう。文献数が少なくても主要な原著論文のリストであれば、膨大なリストと同様に有用である。とくに現在では、参考文献を雑誌の電子版に加えることも可能であり、電子的検索であれば読者は効率的に掲載論文を検索できる。

 抄録を参考文献として用いることは避ける。受理されているが未掲載の論文への参照指示は、 「印刷中」 [in press] または 「発行予定」 [forthcoming] とする。また、そのような論文を引用する際には、著者は書面による許可と、その論文が受理されたものであるという証明を得なければならない。投稿はされたが受理されていない論文からの情報については、その情報源からの承諾を書面で得たうえで、本文中に 「未発表所見」 [unpublished observation] と明記して引用する。

 「私信」 [personal communication] については、それが公開されている情報源からは入手できない重要な情報を提供しているのでないかぎりは引用を避ける。私信を引用する場合は、通信相手の氏名および通信日を括弧内に明示して本文に引用する。学術論文においては、私信の発信源から書面による許可およびその情報が正確であるという確証を得なくてはならない。

 参考文献の内容に誤りがないかをすべてチェックする雑誌もあるが、すべての雑誌が行っているわけではないため、掲載論文においては引用の誤りが見受けられることがある。このような誤りを最小限にするために、PubMedなどの電子的文献データベースを用いて、あるいは現物コピーと照らし合わせて、参考文献を検証すべきである。また著者は、撤回された論文がそのまま引用されていないかをチェックする必要があるが、文脈中で撤回について言及されていれば問題はない。ICMJEは、MEDLINEに登録された雑誌の掲載論文について、撤回されたか否かを示す信頼できる情報源は、PubMedにあるとみなす。MEDLINEで撤回された論文は、サーチタームにて角括弧のついたpt (出版タイプの意) を活用することで検索が可能である。PubMedではRetracted publication [pt]と入力する。

b. 文献のスタイルおよび形式

 統一投稿規定で採用している文献引用のスタイルは、NLMがそのデータベースに採用しているAmerican National Standards Instituteのスタイルに準拠したものである。いろいろな文献の様式については、NLM's Citing Medicine [訳者注: http://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK7256/] でNLMの推奨を参考にするとよい。そこでは著者は参考文献の表記例も参照できる。ICMJE利用者が手軽に使用できるようCiting Medicineから抽出した、もしくはそれに基づいて作成した一連の表記例である。これらの参考文献表記例は、NLMによって管理されている。

 参考文献は、本文で最初に言及された順番に従って連続の番号を付す。本文、表、図の説明文における参考文献は、括弧に入れたアラビア数字で表示する。表または図の説明文のみで引用されている参考文献については、その表または図が本文中で最初に確認された順番に従って番号を付す。雑誌名は、MEDLINEのために索引付けされた雑誌のリストで使用されているスタイルに従って短縮する。これはNLMのwebsiteに掲載されている。電子文献については、参照指示を本文中で括弧内に示す雑誌もあれば、本文に続く参考文献リストに掲載する雑誌もある。著者は投稿先として選んだ雑誌にこの点を確認する必要がある。

10. 表

 表は情報を簡潔に記録し、効率的に表示するものであり、いかなるレベルの詳細かつ厳密な情報も提供できる。データを表にすることにより、本文でデータを記述した場合と比べて本文の長さを短縮できることが多い。

 表はそれぞれ別の用紙にダブルスペースでタイプまたは印刷する。表には本文で最初に引用された順番に従って連続の番号を付し、それぞれの表に簡潔なタイトルをつける。表内には縦または横の罫線を用いない。各列には、簡潔または短縮した表題をつける。補足的な説明事項は、表題ではなく脚注におく。基準外の略語はすべて脚注で説明し、次の記号を順番に用いる。

 *、†、‡、§、?、**、††、‡‡、§§、??

 標準偏差および平均値の標準誤差など、変量の統計的尺度を明確にする。

 それぞれの表が本文中で引用されていることを確認する。

 既発表または未発表文献のデータを用いる場合は、許可を得たうえで出典を十分に明らかにする。

 予備データを含み、印刷版において掲載するには情報量が膨大すぎる表については、記録保管サービス [archival service] に託したり読者に著者から直接提供するようにしたうえで、雑誌の電子版で掲載するとよい。このような追加情報があることや、どこを見ればよいかについては、本文中でその旨を適切に言明する。査読者が閲覧できるように、こういった表についても投稿論文とともに提出する。

11. 図版 (図)

 図は專門家が作成または撮影するか、写真レベルの品質のデジタルプリントとして提出する。印刷に適した種類の図を提出することに加え、雑誌の電子版において高画質を発揮するようなフォーマットの図 (JPEGやGIFなど) の電子ファイルを求める雜誌もある。著者は、ファイルを提出する前にコンピュータ画面上で画像の状態を確認し、それらの画像が自身の質的基準を満たしているかを確認する必要がある。

 病理標本や顕微鏡写真と同様に、X線写真、CTスキャン画像、および他の診療画像については、通常127 × 173 mm (5 × 7インチ) の大きさで、鮮明な光沢仕上げの白黒またはカラー写真を送付する。図を作り直す雑誌もあるが、多くの雑誌は行わない。そのため、図中の文字、数字、記号は全体にわたって明瞭かつ一貫したものにし、掲載のために図が縮小された場合でも十分に判読できる大きさでなければならない。図の多くはスライド発表で直接使用されるため、可能なかぎり内容が一目瞭然となっている必要がある。タイトルおよび詳細な説明は図版の説明文に加え、図版そのものには記入しない。

 顕微鏡写真には写真内に尺度指標をつける。頭微鏡写真で使用する記号、矢印、文字には、背景と対照的な色を用いる。

 人物の身元が特定できる可能性がある写真は、その写真の使用許可を書面で写真に添付しなければならない。

 図には本文で引用された順番に従って連続の番号を付す。図がすでに公表されたものである場合、オリジナルの出典を示し、著作権所有者から資料複製の許諾を書面で得て提出する。公的文書を除いては、著者または出版社の意向に関わらず許諾を得る。

 カラーの図版に関しては、その雑誌がカラーネガフィルム、ポジフィルム、カラープリントのいずれを必要としているのかを確認する。編集者の便宜をはかり、掲載に必要な範囲を示しておくとよい。著者が超過料金を負担する場合にのみ図版をカラーで掲載する雑誌もある。

 著者は、電子フォーマットで提出する図の規定について、雑誌に問い合わせておく必要がある。

12. 図版 (図) の説明文

 図版の説明文は、各図版に該当するアラビア数字をつけて新しいページから記載し、ダブルスペースでタイプまたはプリントアウトする。図版のある部分を特定するために記号、矢印、番号、文字を使用した場合は、各々について説明文中で特定し、説明を加える。顕微鏡写真では写真内の尺度を説明し、用いた染色法について明らかにする。

13. 測定単位

 長さ、高さ、重量、容積の測定値はメートル法 (メートル、キログラム、リットル) またはその10乗倍で報告する。

 温度は摂氏温度 (°C) で表記する。血圧は、雑誌側からとくに指定がないかぎり、ミリメートル水銀 (mmHg) で表記する。

 血液検査値、生化学検査値、その他の測定値の報告に用いる単位は雑誌によって異なる。著者は投稿先の 「投稿規定」 を参照し、検査情報については自国で使用している単位と国際単位 [International System of Units: SI] の両方で報告する。SI単位は全世界的に用いられているわけではないため、編集者は著者に対し、代替単位またはSI以外の単位を加えるよう要請することがある。薬物濃度はSI単位または質量単位のいずれかで報告するが、別の単位が必要な場合には括弧で表示すべきである。

14. 略語と記号

 標準的な略語のみを用いること。非標準的な略語の使用は読者を混乱させるものである。論文のタイトルでは略語の使用を避ける。標準的な測定単位の略語以外は、本文の初出の際に、略していない表現の後ろに、略語を括弧書きで記載する。

B. 雑誌への論文送付

 近年、論文の電子投稿を受け付ける雑誌が増えており、ディスクによる提出、電子メールでの添付、雑誌のwebsiteへ直接アップロードする方法がある。電子投稿によって郵送費と時間が節約でき、また編集プロセス全般において論文を電子書式で扱うことが可能となる (査読へ発送する場合など) 。論文を電子投稿する場合、著者は雑誌の 「投稿規定」 を参照する必要がある。

 論文をプリントアウトで提出する場合は、論文および図のコピーを必要部数送付する。これは査読や編集作業に必要な部数であり、編集室のスタッフが必要部数のコピーをとることは期待できない。

 論文には力バーレターを添付し、以下の情報を記す。

  • 同一または非常に類似した研究の二重投稿とみなされる可能性のあるすべての投稿論文および過去の発表論文があれば、その点を編集者に対して詳述する。そのような研究は、新しい論文で明確に記述し、参考文献として示しておく。投稿論文には問題となっている論文のコピーを添付し、編集者が状況に取り組む助けとする。
  • 利益相反を引き起こしかねない財政上またはその他の利害関係について、その情報が論文または著者欄に含まれていない場合、その旨を言明する。
  • その論文が著者全員の校閲のうえ承認されたものであること、前述の著者資格の条件が満たされていること、各著者がその論文が公正な研究内容を示していると確信していることを、それらが他の書式 (以下参照) で述べられない場合は、カバーレターで言明する。
  • 校正刷りへの修正および最終承認について他の著者と連絡をとる責任を有する代表著者の氏名、住所、電話番号が論文に含まれていない場合、カバーレターに記載する。

 またカバーレターには、その論文が投稿先の雑誌における論文のどのタイプやフォーマットに該当するかなど、編集者に有用なその他の情報も加える。もしもその論文が以前に他誌へ投稿されたことがある場合は、他誌編集者および査読者のコメントや、コメントに対する著者の回答を投稿論文に添えるとよい。編集者は著者に対し過去の通信を提出することを奨励している。そのことによって査読プロセスを迅速にすることができる。

 最近では多くの雑誌が、投稿に必要な要素がすべて含まれることを著者が確認することを手助けする 「投稿前のチェックリスト」 を提供している。また、特定の種類の研究報告については、著者がチェックリストのすべての項目を記入する必要がある雑誌もある (たとえばランダム化比較試験の報告のためのCONSORTチェックリストなど) 。著者は、雑誌がこのようなチェックリストを使用しているかを確認し、必要な場合には投稿論文とともに提出する。

 出版済みの資料を複製した際の許可書、出版済みの説明図の使用許可書、人の身元が判明するような情報の報告に対する許可書、貢献者として名前を掲載することについての許可書は、すべて論文に添付する。

V. 参考文献

A. 本文書で引用した文献
  • 1. Davidoff F, for the CSE Task Force on Authorship. Who’s the author? Problems with biomedical authorship, and some possible solutions. Science Editor. 2000;23: 111-9.
  • 2. Yank V, Rennie D. Disclosure of researcher contributions: a study of original research articles in The Lancet. Ann Intern Med. 1999;130:661-70.
  • 3. Flanagin A, Fontanarosa PB, DeAngelis CD. Authorship for research groups. JAMA. 2002;288:3166-8.
  • 4. Godlee F, Jefferson T. Peer Review in Health Sciences. London: BMJ Books; 1999.
  • 5. http://www.wma.net/e/policy/b3.htm (accessed June 26, 2009).
  • 6. Rochon PA, Gurwitz JH, Cheung CM, Hayes JA, Chalmers TC. Evaluating the quality of articles published in journal supplements compared with the quality of those published in the parent journal. JAMA. 1994;272:108-13.
  • 7. Pitkin RM, Branagan MA, Burmeister LF. Accuracy of data in abstracts of published research articles. JAMA. 1999;281:1110-1.
B. 生物医学雑誌に関する他の情報源

World Association of Medical Editors (WAME)
Council of Science Editors (CSE)
European Association of Science Editors (EASE)
Cochrane Collaboration
Committee on Publication Ethics (COPE)
EQUATOR NETWORK http://www.equator-network.org

VI. 医学雑誌編集者国際委員会 (ICMJE) について

 ICMJEは、毎年会合をもつ総合医学雑誌編集者の集まりであり、統一投稿規定作成に資金提供を行っている。ICMJEは、本文書に対するコメントや議題項目に対する提案を歓迎する。

VII. 生物医学雑誌における統一投稿規定の著者

 統一投稿規定2010年4月版を承認したICMJE参加雑誌、組織、および団体代表には、以下を含む。Annals of internal Medicine、British Medical Journal、Canadian Medical Association Journal、China Medical Journal、 Croatian Medical Journal、Journa1 of the American Medical Association、Nederlands Tijdschrtft voor Geneeskunde (The Dutch Medical Journal) 、New England Journa1 of Medicine、New Zealand Medical Journal、The Lancet、The Medical Journal of Australia、Revista Me´dica de Chile、Tidsskrijft for Den Norske Lageforening (The Journal of the Norwegian Medical Association) 、Ugeskrift for Laeger (Journal of the Danish Medica1 Association) 、the U.S. NLM、the World Association of Medical Editors。

VIII. 統一投稿規定の利用、配布、翻訳

 非営利目的で教育目的であれば、利用者は本文書を無料で印刷またはコピーし、配布してよい。ICMJEは本文書の印刷物 (別刷) を保持しない。

 ICMJEの方針は、関心をもつ組織はwww.icmje.orgにある公式の英語文書にリンクを貼ることとする。ICMJEは、ICMJEのサイト以外に本文書を取り込むことを承認しない。

 ICMJEは、本文書を非営利目的で英語以外の言語に転載または翻訳する組織を歓迎する。しかしICMJEは、翻訳および確認翻訳のための、または本文書の転載版または翻訳版を承認するための手段を有さない。したがって、翻訳版には以下の記述を明示しなくてはならない。 「本文書はICMJEのUniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals (生物医学雑誌への統一投稿規定) の転載/ (言語名) 翻訳版である。 (組織名) は、本転載/翻訳を (資金源があればそれを明示) の支援により作成した。ICMJEは、本転載/翻訳版の内容の保証または承認は行っていない。ICMJEは統一投稿規定を定期的に更新しており、 (日付) に作成された本転載/翻訳版はwww.icmje.orgに掲載される最新の公式版とは異なる可能性がある。生物医学雑誌への統一投稿規定の公式版は、www.icmje.orgにある。」

 われわれは、個人または組織による、生物医学雑誌への統一投稿規定の転載や翻訳に際し、ICMJE からの正式な文書による許諾を得ることは要求しない。ただし、文書のバージョンを記録するため、転載や翻訳の引用をICMJE事務局に知らせていただきたい。

IX. 問い合わせ

 問い合わせる前にwww.icmje.orgにてFrequently Asked Questionsを見ていただきたい。よく寄せられる質問とその回答が掲載されている。

 統一投稿規定に関する問い合わせは、ICMJEのwebsite (www.icmje.org) のなかの 「ICMJEに連絡する (Contact ICMJE) 」 から、ICMJE事務局に送付してもらいたい。個々の論文、個々の雑誌のスタイルまたは個々の雑誌の方針についてICMJE事務局に問い合わせることは控えてほしい。ICMJEは個々の雑誌と連絡をとるための情報をもちあわせていない。雑誌への投稿原稿は、ICMJEではなく、雑誌へ直接お送りいただきたい。

日本語翻訳版に対する声明
Statement for Japanese Translation Version

This is a Japanese language translation of the ICMJE Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals. Honyaku Center Inc. prepared this translation. The ICMJE has neither endorsed nor approved the contents of this reprint/translation. The ICMJE periodically updates the Uniform Requirements, so this translation prepared on November 22, 2010 may not accurately represent the current official version at www.icmje.org. The official version of the Uniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals is located at www.icmje.org.

本文書は、ICMJEのUniform Requirements for Manuscripts Submitted to Biomedical Journals: Writing and Editing for Biomedical Publication (Updated April 2010) [生物医学雑誌への統一投稿規定:生物医学研究論文の執筆および編集 (2010年4月改訂版)]の日本語訳です。株式会社 翻訳センターが作成しました。ICMJEは、本翻訳版の内容の保証または承認は行っていません。ICMJEは統一投稿規定を定期的に更新しており、2010年11月22日に作成された本翻訳版は、www.icmje.orgに掲載される最新の公式版とは異なる可能性があります。生物医学雑誌への統一投稿規定の公式版は、www.icmje.orgにあります。

参考文献:中山健夫・津谷喜一郎編著.生物医学雑誌への統一投稿規定:生物医学研究論文の執筆および編集(2008年10月改訂版).臨床研究と疫学研究のための国際ルール集.ライフサイエンス出版;2008

本サイトに掲載されている「2010年4月改訂版」は,上掲書の編著者および出版社の承諾を得て,基本的には当該書籍の記述内容を採用し,改訂部分を中心に当社が翻訳し作成したものである。

なお,論文投稿に関係するガイドラインは,本投稿規定以外にも数多く存在し公表されている。参考とした上掲書は,それらの多くを収載しているので参照されたい。

(ライフサイエンス出版サイト→http://www.lifescience.co.jp/shop2/index_rule.html