シリーズ連載
メディカルライティングの 現状と将来

第 12 回 日本における臨床研究の未来図 2-2

前回は、臨床データ入力の自動化を説明しましたが、今回は研究において不可欠な要素であるメディカルライティングを説明します。メディカルライティングは、単なる編集ではありません。臨床研究における複雑な文書作成を支援する戦略的パートナーシップです。以下のように、臨床試験における広範な文書やサービスを対象としています。

  • プロトコル作成と規制当局向け文書作成

    米国の FDA、日本の GCP および PMDA などの要件に沿って、研究プロトコル、インフォームドコンセント文書、IRB 提出書類の作成を支援します。

  • 英語論文作成とジャーナル投稿

    論理的な流れ、明瞭性、そして国際的な出版ガイドライン(ICMJE、CONSORT など)の遵守を確保した論文を作成します。論文のほか、フォーマット設定、図表作成、投稿支援などのサービスもあります。

  • 患者向け資料

    臨床試験がより患者中心になるにつれ、分かりやすい言語の必要性が高まっています。平易な言葉で要約を作成し、一般の方にも理解しやすい同意書を作成できるメディカルライターは、患者の理解向上と離脱率の抑制に貢献できます。

  • 分散型試験コンテンツ

    遠隔試験やハイブリッド試験の場合、メディカルライターは遠隔医療、チャットボット、モバイルベースのアンケートのスクリプトを作成します。

  • グラフィカルアブストラクト

    各種ジャーナルでは、論文に加えてグラフィカルアブストラクトの提出を義務付けることが増えています。グラフィカルアブストラクトは、研究をより幅広い読者層に公開することができますが、作成には時間がかかります。メディカルライターはデザイナーと協力して、伝えるべきメッセージを損なうことなく、高品質なイラストレーションやグラフィックを作成します。

研究開発を持続的に推進するための、知識・ノウハウ、人材、資金、インフラ、制度などが相互に作用し合うシステム(研究エコシステム)が進む中 1)、前回ご説明した eSource や eConsent の接続性の向上や遠隔モニタリングの導入などが、多くの臨床医の事務的負担を軽減しています。これらのシステムがさらにシームレスに機能するためには、文書化もそれに追いつくスピード感が要求されます。正確で迅速な文書化を提供するメディカルライティングサービスは、臨床医が文書作成に追われることなく、患者と向き合う時間や研究に費やす時間の確保を支援します。

参考:
1) Japanese Regulatory Considerations for Digital Health Technology

https://www.pmda.go.jp/files/000266816.pdf

※本メールは m3.com の QOL 君でお届けした内容を再編集したものです。元の記事はこちらからご覧いただけます。