シリーズ連載
メディカルライティングの 現状と将来

第 2 回 日本におけるメディカルライティングの導入

今日、競争の激しい学術研究および臨床研究環境において、高い影響力を持つ国際ジャーナルへの論文掲載は重要な目標となっています。臨床業務と論文執筆のバランスを取りながら、構成、明瞭性、そして英語表現において世界基準を満たす論文の作成は難しい作業です。このような状況下で、日本の研究者はメディカルライターのサポートをどのように活用できるでしょうか?

日本の医師がメディカルライターを検討すべき理由

  1. 論文掲載率の向上のため

    編集者や査読者は、論文の科学的価値だけでなく、文章の明瞭さと表現も「論文の質」として評価します。質の高い論文は、国際ジャーナルに受理される可能性が高くなります。英語を母国語としない研究者のみならず、英語ネイティブの論文執筆者にもプロのメディカルライターによるサポートが推奨される時代となっています。

  2. 時間の節約とストレスの軽減のため

    ジャーナルの要件を満たすための論文リライトには、数週間、場合によっては数カ月かかることがあります。メディカルライターは、文法の誤り、構成の不明瞭さ、詳細の欠落といった、よくある問題を回避し、プロセスを効率化します。また、メディカルライターは査読者のコメントには敬意を示しながらも論理的で効果的な回答の作成を支援します。査読コメントへの回答書は、しばしば過小評価されますが、最終的な採択に大きな影響を与える可能性がある重要なものです。

  3. 国際基準を満たすため

    多くの国際ジャーナルは、ICMJE(International Committee of Medical Journal Editors:医学雑誌編集者国際委員会)などが定めるガイドラインに従っており、方法、結果、倫理 基準を明確に報告することが求められています。メディカルライターはこれらの推奨事項を熟知しており、論文が各種ガイドラインに準拠していることを保証します。

メディカルライターとは「共同作業」と考えよう

メディカルライターを利用することで著者としての立場が損なわれるのではないかと懸念する研究者もいるかもしれません。しかし、COPE(Committee on Publication Ethics:出版規範委員会)や WAME(World Association of Medical Editors:世界医学雑誌編集者協会)などの国際的な出版基準では、貢献が透明性を持って認められる限り、メディカルライティングの支援は倫理的に認められています。メディカルライターは研究者の知的貢献に取って代わるものではありません。むしろ、あなたの研究成果を世界に伝える方法を強化するものなのです。

参考:
改定ローマ字のつづり方(素案)文化庁

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/kokugo/roman/roman_10/pdf/94230301_01.pdf

ICMJE(医学雑誌編集者国際委員会)統一投稿規定(2024 年改訂版)和訳版

https://www.honyakucenter.jp/usefulinfo/uniform-requirements/

COPE(出版規範委員会) https://publicationethics.org/

WAME(世界医学雑誌編集者協会) https://www.wame.org/

※本メールは m3.com の QOL 君でお届けした内容を再編集したものです。元の記事はこちらからご覧いただけます。