医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第64回 吉田富三記念館

2017年6月配信

⇒バックナンバーはこちら

明治生まれの病理学者 その人となりを訪ねて花火の里へ夏の散歩

福島県浅川町は花火の里。毎年お盆の8月16日に開催される花火大会は県内最古、300有余年の歴史があります。打上げは本町と荒町の2つの町の若者が行う習わしで、各家々には、○○家の紫玉、××家の吊玉といった秘伝の花火が伝えられていたそうです。今回は、今も伝統の絆が息づくこの町で生まれ育った吉田富三博士の記念館まで、夏の散歩に参ります。

博士の功績 日本のがん研究の先駆者・吉田富三(1903-1973)は浅川町本町生まれ。東京帝国大学医学部に学び病理学への道に進みました。1932年の「人工肝臓がん生成」、1943年の「吉田肉腫の発見」で有名です。吉田富三記念館はその功績を後世に伝えるため、また地域住民の健康への関心を深め、この浅川町を出発点にがんの無い世の中を作るきっかけになればとの願いをこめて1993年に開館したとのこと。記念館着工の1992年には優れたがん研究者に贈られる「吉田富三賞」が制定されています。

プライベートライフ イタリア賞、芸術選奨などの受賞歴のある演出家で子息の吉田直哉氏による『私伝・吉田富三 癌細胞はこう語った』も1992年に上梓されました。吉田富三が何をした人か一言で表せばという問いに「顕微鏡を考える道具に使った思想家」と同書で答えています。顕微鏡の中に見える何億というがん細胞も同じものはひとつとしてないという「がんの個性」という視点があったことが同書には書かれています。よく口にしたという「癌も身の内」という言葉、顕微鏡の中にみた多様性、「がん細胞で起こることは人間社会でも起こる」という考え方は、現代のがん哲学へとつながっていきます。

記念館では、がんの研究で業績を上げた後も、医療制度に関する「吉田メモ」の発表や国語審議委員としての国語政策への挑戦など「人の三倍は働いていた」というその生涯を振り返り、吉田肉腫をはじめとする研究と愛用品などでたどるプライベートライフも紹介しています。病理学者であり、思想家であり、息子に「あんな偉大な存在はなかった」と語らせた人間吉田富三の再発見をしてみませんか。

施設写真

吉田富三記念館 福島県石川郡浅川町大字袖山字森下287番地 TEL:0247-36-4129
FAX:0247-36-4807
URL:http://www.tomizo.or.jp/

開館時間 9:00~16:30
(最終入館は16:00)
入場料 大人400円
高校生250円
小中学生無料
・20名以上の団体はそれぞれ50円引き。
休館日 月曜(祝日と重なる場合は翌日が休館日)
※臨時休館日あり
アクセス 電車/東北新幹線「郡山駅」よりJR水郡線「磐城浅川駅」より車5分。
東北新幹線「白河駅」より車で約40分。
自動車/東北自動車道白河ICより約45分。

 

 

お気軽にご相談ください
お電話でのお問い合わせ(受付時間 平日9:00~18:00)
論文担当東京:03-6403-9956 大阪:06-6431-0966
  • 見積依頼フォームはこちら
  • ご連絡フォームはこちら

ページTOPへ戻る