医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第69回 

2017年12月配信

⇒バックナンバーはこちら

青春の在りし日の熱い思いもよみがえる冬晴れの日の散歩道

緒方洪庵の「適塾」は、現存する唯一の蘭学塾の遺構です。塾内の様子は福沢諭吉『福翁自伝』の生き生きとした描写が有名です。「…いよいよ明日が會讀だと云ふ其晩は、如何な懶惰生でも大抵寝ることはない。ヅーフ部屋と云ふ字引のある部屋に、五人も十人も群をなして無言で字引を引きつゝ勉強して居る…」。熱い青春がよみがえる、冬の散歩道にお誘いします。

適塾内部:塾生大部屋 国史跡・重要文化財の適塾は1942(昭和17)に緒方家から国(大阪帝国大学)に建物が寄贈され、現在は大阪大学適塾記念センターによって保存、公開、調査等が行われています。センターの展示ご担当者は「高層ビルが建ち並ぶ大阪のオフィス街、淀屋橋・北浜界隈。そこに時が止まったかのような佇まいを残す日本建築が適塾です。その静けさがかえって、勉学に打ち込む幕末の若者たちの熱気に満ちた姿を想像させてくれます。」と話してくださいました。

緒方洪庵肖像 江戸後期に活躍した緒方洪庵(1810-1863)が適塾を開いたのは1838年(天保9)。大阪・瓦町で医業の開業とともに開いたそうですが、門下生も増え、手狭になったことから1845年に北浜に移転したのが現在の適塾です。記録に残る門下生だけでも1000人を数え、中には福澤諭吉、大鳥圭介、橋本左内、大村益次郎、長与専斎、佐野常民といった多くの英才を輩出しています。洪庵は医師としても一流の人物で、「除痘館」を開いて牛痘種痘を広めたり、コレラに関する書物を訳してまとめた『虎狼痢治準』発行などの業績が有名です。『虎狼痢治準』は安政のコレラ流行時に編集されたもので、急ぎ配布するため、編集を5-6日で仕上げたという話が残っています

蘭学者の中天游、坪井信道、宇田川玄真に学び、長崎に遊学した洪庵は、オランダ語では群を抜く語学力。その読解力・翻訳力の基礎を漢学と考え、自身の息子たちにはまず漢学を学ばせたそうです。2018年の抱負に医学や語学の向上を掲げたら、適塾へ。建物のあちこちに残る塾生たちのざわめきや熱い思いが、きっとあなたをやる気にさせてくれますよ。

適塾

適塾 展示会場:大阪市中央区北浜3丁目3番8号 TEL:06-6231-1970

URL:
http://www.tekijuku.osaka-u.ac.jp

開館時間 午前10時~午後4時
参観料 一般/260円
高校生・大学生等/140円
中学生以下/無料
※以下に該当する方は無料です。
・大阪大学の学生(要学生証提示)
・身体障害者手帳、知的障害者療育手帳、精神障害者保健福祉手帳又は被爆者健康手帳をご提示いただいた方(付添者1名を含む)
休館日 月曜日(国民の祝日の場合は開館)
国民の祝日の翌日(土・日・祝日の場合は開館)
年末年始(12月28日~1月4日)
アクセス 京阪電車「淀屋橋駅」または「北浜駅」下車徒歩5分
地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」下車徒歩5分

 

 

お気軽にご相談ください
お電話でのお問い合わせ(受付時間 平日9:00~18:00)
論文担当東京:03-6403-9956 大阪:06-6331-0966
  • 見積依頼フォームはこちら
  • ご連絡フォームはこちら

ページTOPへ戻る