医の散歩道

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2018年1月配信

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総合医の極意は馬に訊く?近代獣医学の歴史を辿る新春の散歩道です。
東京農工大学科学博物館 企画展

今回ご紹介するのは、東京農工大学科学博物館。都心から約25kmの小金井市にある小金井キャンパス内の博物館です。大企業の進出が少なく公園の多い小金井市は豊かな自然と少し懐かしい街並が残る東京のベッドタウン。アニメ制作の「スタジオジブリ」があることでも有名で、市内には作品のモデルとなった建物や小路などが点在しているそうですよ。

うまわらじと蹄鉄 東京農工大学農学部の前身、駒場農学校が獣医学教育を開始したのは明治11年(1878)。農耕用、軍事用、輸送用にと、今よりずっと馬が人々の暮らしに深くかかわっていた頃のことです。今回の企画展では、教科書「家畜医範」、掛図、骨標本、模型資料などの獣医教育用資料など大学所有の貴重な資料、また現在でも根絶宣言が出されていない馬伝染性貧血(通称「伝貧」)との戦いを記したパネルなどを展示。日本の近代獣医学の現在までの歩みを振り返ります。

馬の品種別模型 現在の診療に用いられている器具は、開口器、蹄鉗子、歯ヤスリなど馬診療に特有のものから、注射器、聴診器、体温計、経鼻カテーテルなど人間と共通するものも多くあります。「馬は白衣を恐れるので、獣医師も調教師や厩務員と同じような服装で診察することが多いそうですよ」と教えてくれたのは学芸員の齋藤有里加さん。病院で白衣のお医者さんや看護師さんに血圧を測ってもらうと家庭血圧よりも高くなるという「白衣高血圧」や「白衣現象」。馬にもあるかもしれませんね。

「おおらかな性格」とのことで白衣も平気なモデル患者(馬!)と白衣を着た獣医師による診療を撮ったビデオも上映されています。獣医師とは総合医。一人の医師が内科、外科、整形科、眼科、さらに歯科まで診ています。ちなみに、馬の体温は人間用の体温計を使ってお尻で測るそうですよ。馬に興味がある方にも、教育史に興味がある方にも、ジブリ作品がお好きな方にもお勧めの、新春の散歩道です。

東京農工大学科学博物館

東京農工大学科学博物館 東京都小金井市中町2丁目24-16 TEL:042-388-7163
URL:http://web.tuat.ac.jp/~museum/information/news/20171121-ex.html

開館時間 火曜日~土曜日
10:00~17:00 (入館は16:00まで)
入館料 無料
休館日 企画展期間中
日曜日(2月4日は開館)・月曜日・祝日・年末年始(12月28日~1月4日)、入学試験に伴う以下の日程(1月12-13日、1月20日、2月23-24日、3月9-10日)
アクセス JR中央線「東小金井駅」南口から徒歩10分、「武蔵小金井駅」徒歩20分
JR中央線「武蔵小金井駅」または西武多摩川線「新小金井駅」からCOCOバス「農工大前」下車
講演会・体験会 3月3日(土)
・講演会「人と馬の絆」
 13:30~ 博物館3階講堂
 講師:田谷 一善(東京農工大学名誉教授)
  石丸 睦樹(日本中央競馬会馬専門獣医師)
・ミニチュアホースふれあい体験
 11:00~12:00/14:00~15:00 博物館駐車場
 協力:東京農工大学ミニホースの会
 (いずれも予約不要。ふれあい体験は雨天中止)

 

 

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