医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第76回 ヴォーリズ記念館  

2018年10月配信

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傷や肌荒れの常備薬メンソレータム(現・近江兄弟社メンターム)。緑色のパッケージに見覚えがあるかたも多いのではないでしょうか? 今回は、この近江兄弟社を起したウィリアム・メレル・ヴォーリズ(1880-1964)のゆかりの建物をご紹介します。ヴォーリズは、実は東京の山の上ホテルや神戸女学院キャンパスなども手掛けた建築設計家でもありました。

ヴォーリズ記念館 ヴォーリズは、キリスト教伝道のため明治38年(1905)にアメリカから来日。滋賀県近江八幡の滋賀県立商業学校(当時)に英語教師として着任しますが、熱心なキリスト教伝道を理由に2年で解職されてしまったそうです。しかし翌年には建築事務所を開業して、伝道活動を続けていくための経済基盤固めを始めています。ヴォーリズが手掛けた建造物は、キリスト教会、学校、個人宅など全国で1600を数えます。また、現存する多くの建物が、人々の生活に溶け込み、愛され、今なお活用されているのもヴォーリズ建築の大きな特徴といえます。

ヴォーリズ肖像 近江セールズ株式会社(現・株式会社近江兄弟社)を設立したのが大正9年(1920)ですから、意外にも、医薬品製造販売よりも早い時期に建築設計の仕事をスタートしているのですね。手掛けた建物うち、国をはじめ県市町村区の文化財指定は60を超えるという、名建築家ヴォーリズの自邸でもあった記念館は、入母屋風の屋根に板壁という控えめの外観。そして、中には気のおけない友人宅のような居心地のよい空間がありました。「建物の風格は、人間と同じくその外見よりもむしろその内容にある」と述べたヴォーリズの終の棲家らしい建物です。

「医の散歩道」掲載に当たって、公益財団法人近江兄弟社本事務局長(ヴォーリズ記念館)の藪秀実さんからコメントをいただきました。
「ヴォーリズ建築は使いかっての佳さ等もあり、ちょっとしたブームとなっています。確かにヴォーリズさんたちは佳い建物の設計をおこなったのですが、それ以上に、ヴォーリズ建築の施主さんや利用者さんたちが、その建物の中で、最初に抱いた目的(志)に添った、素晴らしい歴史をその建物に50年、80年、100年と織り込んでいったからこそ、輝きを放ってきたのだと思います。ヴォーリズさんや近江兄弟社は、志高い施主さんや利用者さんたちに恵まれたラッキーな人たちだったと感じます。ヴォーリズ建築に「ものがたり」ありです。各々のヴォーリズさんの建築をお訪ねになり、その「ものがたり」に触れていただくと、より豊かな体験ができると思います」。
今秋は、皆さんのお近くのヴォーリズ建築を探してみませんか?

ヴォーリズ記念館

ヴォーリズ記念館 滋賀県近江八幡市慈恩寺町元11 TEL:0748-32-2456
FAX:0748-33-6960
URL:http://vories.com/zaidan/kinenkan/index.html

開館時間 10:00~16:00 (要電話予約)
入館料 300円(高校生以下は無料) 
休館日 月曜日、祝日、その他不定休(12/1~翌年1/15は、展示入替のため休館)
アクセス 近江八幡駅から近江鉄道バスで約10分 鍛冶屋町下車 徒歩約3分

 

 

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