医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第81回 つまようじ資料室  

2019年8月配信

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今回は、大正6年創業の老舗つまようじメーカー、大阪府河内長野市の株式会社広栄社が運営する「つまようじ資料室」をご紹介します。大阪府の推進する「OSAKAミュージアム」にも登録されたこの資料室で、日本と世界のオーラル・ケアの歴史をひもといてみませんか?

 
楊枝は奈良時代に仏教とともに日本に伝来したもの。お釈迦様も木の枝で歯を磨いていたそうで、弟子たちにも勧めていたとか。そこで、「楊枝」は僧侶が常に身につけておくべき「比丘十八物」の第一番目にあげられる重要な品となっています。江戸時代には庶民の間にもすっかり浸透し、専門のようじ屋も見られるようになります。ちなみに、木を房状になるよう叩いて歯を磨きやすくしたものは「ふさようじ」、先端を尖らせて歯間に挟まったものを取りやすくしたものは「つまようじ」と呼ばれています。この「ふさようじ」は明治時代に海外から入ってきた歯ブラシに取って代わられてしまいました。
 
さて、現代に残った「つまようじ」の方は食後の歯間清掃の道具として、また、料理やお菓子を飾ったり、つまみやすくするための調理小物として用いられていますね。実は、海外では歯間清掃の「teeth pick」と料理用の「cocktail pick」ははっきり区別されていて、teeth pickは断面が三角形なのだそうです。また、西洋の楊枝は金属製のものも多く、資料室には美しい装飾や意匠を凝らした品々も展示されています。東洋では「歯木」と呼ばれる木製のものが多く、素材にはヤナギ(楊)をはじめ、クロモジ、シラカバなどの薬用植物が使われています。資料室では、葦の穂、水鳥の羽根、マグロの尾びれなど世界50カ国以上から集められた、過去および現在も使われているつまようじを見ることができます。
今どきの博物館らしく「つまようじ資料室」はホームページも充実しています。多くの資料が「つまようじ図鑑」として公開されているほか、企業博物館の醍醐味である社史も「100年の歴史」という特別サイトで見ることができます。アメリカからの安価な輸入品に押された大正時代の巻き返し策、戦時下の価格等統制令で楊枝を束ねる糸の入手にも苦労した話などが豊富な資料と共に丁寧に解説されていてお勧めです。
つまようじ資料室

つまようじ資料室 大阪府河内長野市上原町885
株式会社 広栄社内
TEL:0721-52-2901
URL:http://www.cleardent.co.jp/siryou/

開館日時 毎週土曜日(要予約)
10:00~12:00
13:00~16:00(入室は15:00まで)
※団体のお客様は事前にお問い合わせください
以下の場合は休室いたします
・祝祭日
・年末年始(12/28~1/4)
・ゴールデンウィーク中
・盆休み(8/12~8/16)
・10月第2土曜・日曜(地元の祭礼のため)
入室料 無料
アクセス 南海高野線・近鉄長野線「河内長野」駅から
・タクシーで約5分
・または、南海バス高向線「長野車庫」バス停から徒歩約3分

 

 

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