医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第83回 外郎(ういろう)博物館  

2019年12月配信

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米粉を蒸したお菓子の「ういろう」のほかに、薬にも「ういろう」があることは知っていても、この2つの関係まではなかなかご存じないのでは? 今回は、北条早雲に招かれて小田原に居を構えた外郎家の博物館をご紹介します。新春の箱根駅伝に、富士山を背景に広がる梅園からの花便りと、心騒ぐ相州の冬の散歩道です。

 
外郎家の始祖は応安元年(1368年)に来日した陳延祐。元の順宗に仕えた医術卜筮(ぼくぜい)に優れた人で、帰化の際に陳外郎(ういろう)と称しました。子息で二代目の大年宗奇(たいねんそうき)が中国からもたらしたのが妙薬の霊宝丹です。その香りから帝より「透頂香(とうちんこう)」の名を賜わったこの薬が、外郎家の「薬のういろう」の由来。一子相伝のこの家伝薬は、600年を経た現在も当時の製法を守り、薬局製剤の「透頂香」として販売されています。
 
もうひとつの「ういろう」は、来日使節のおもてなしとして朝廷接待役の大年宗奇が考案した一品が由来。当時は栄養剤として珍重されていた黒糖を用いたこの品は、長い船旅と慣れない土地での体調不良に苦しむ賓客たちに好評で、こちらは「お菓子のういろう」と呼ばれるようになったそうです。
明治18年築の蔵を利用した博物館には、2つの「ういろう」にまつわる品のほか、京都・祇園祭の「蟷螂山(とうろうやま)」、二代目市川團十郎(成田屋)ゆかりの歌舞伎「外郎売」など、外郎家の歴史の中で生まれた意外なつながりを示す展示もあります。「扉を開けた時のタイムスリップ感を、肌で感じていただきたいです」と話すのは二十五代当主の外郎藤右衛門さん。入館には社員さんがガイドとなって付き添い、蔵の扉についた大きな錠前を開ける音から見学スタートです。扉を開けた蔵からは「透頂香」という名の歴史が香っているかもしれません。
外郎博物館

外郎博物館 神奈川県小田原市本町1-13-17
TEL:0465-24-0560
URL:http://www.uirou.co.jp/museum.html

開館日時 10:00~17:00
※団体のお客様は事前にお問い合わせください
入室料 無料 ガイド付き
※店内スタッフにお声がけください
休館日 水曜・第3木曜・年末年始(12/31~1/1)
アクセス JR・小田急線小田原駅東口から徒歩15分、箱根登山バス「箱根口」停留所の前、駐車場あり

 

 

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