医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第85回 広島市現代美術館 特別展 

2019年
              10月配信

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「医の散歩道」では2012年以来の再訪となった広島市現代美術館。今回は、白樺派に親しみ、民藝運動に参加し、草間彌生や山下清などの芸術家を支援し、生涯に約200冊の著書を上げ…多才にして多彩な精神科医・式場隆三郎(1898-1965)の特別展をご紹介します。

 
現在の新潟県五泉市に生まれ、新潟医学専門学校(現在の新潟大学医学部)に学んだ式場隆三郎は、学生のころから文学、芸術と人の精神的つながりに関心を持っていたといいます。「ひまわり」で有名なオランダの画家・ゴッホ(Vincent Willem van Gogh)の研究では日本における草分けで、渡欧して資料を集め、複製画を制作して巡回展を行うなど、ゴッホの紹介にも力を注ぎました。右の書籍はその研究成果のひとつです。タイトルの「ファン・ホッホ」はもちろん、van Goghのこと。ちなみに、戦後は多くバン・ゴッホと読み書きされていたそうですが、現地の発音に近い呼び方が好まれるようになり、現在ではファン・ゴッホで定着したとのこと。しかし、オランダ語の発音ではファン・ホッホが近いのだそうですよ。
 
特別展の解説には、〈可視(科学)と不可視(芸術)の両極を往還した特異な個性を評する文字として、副題を式場の著書(1939年)から採って「脳室反射鏡」とした〉とあります。河井寛次郎、木喰仏、シキバブレノン、バラ園、国立西洋美術館…式場隆三郎をめぐる様々なキーワードをどう解いていくのか? 企画の切り口にも興味が高まる展覧会です。

キーワードのひとつにあげられた「二笑亭」とは、東京深川にあった個人住宅の名称(1938年未完のまま解体)。奇妙な外観と不思議な内装で、荒俣宏や水木しげるも関心を持ったという建物です。設計者でもある施主が精神病院に入院したところから興味を持った式場が調査、これをまとめた『二笑亭綺譚』はこの建物を紹介した唯一の資料となりました。収載の「発端・電話事件」は青空文庫で公開されています。短文でさっと読めますので、式場隆三郎入門にも、特別展の予習復習にもお勧めです。

※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策のため、広島市現代美術館は当面の間、特別展・コレクション展・彫刻の広場(野外彫刻)のみの利用となっています。また、マスクの着用や入館時の検温なども実施しています。詳細は、ご来場前に公式サイトなどでご確認ください。

※特別展「式場隆三郎:脳室反射鏡」特設サイトのオンラインコンテンツ「おうちで式場展」では、360度展示室を見ることができるバーチャル展覧会や特別記事を掲載中。ぜひ、ご覧ください!

 

広島市現代美術館 広島市南区比治山公園1-1 TEL:082-264-1121
URL:https://www.hiroshima-moca.jp/
特設サイト「式場隆三郎:脳室反射鏡展」
URL:https://www.hiroshima-moca.jp/ryuzaburo_shikiba/

開館時間 10:00~17:00
(入館は閉館の30分前まで)
特別展 観覧料 一般/1000円、大学生/700円、
高校生・65歳以上/500円、中学生以下無料
休館日 月曜日
アクセス 車/広島インターチェンジから約30分
路面電車/広島駅から「比治山下」下車、約500m
バス/広島駅からB-7番のりば「段原中央」下車、
動く歩道「比治山スカイウォーク」経由約700m

 

 

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