医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第88回 横溝正史館 

2020年
              11月配信

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ワインの「山梨ヌーボー」解禁となった11月の秋晴れの一日、山梨市にある「横溝正史館」に行ってきました。「八つ墓村」や「犬神家の一族」などで有名な作家の横溝正史(1902-1981)が東京世田谷区の自宅敷地内に建て、晩年までの約25年を執筆の場に使っていた建物を移築した記念館です。

 
幼いころから探偵小説が大好きだったという横溝正史は、19歳の時に懸賞に応募した短編探偵小説「恐ろしき四月馬鹿」で初めての受賞。現在では、これが横溝の処女作とみなされています。同じ年に大阪薬学専門学校に入学し、在学中は外国雑誌で見つけた短編の推理小説を翻訳しては出版社に送り原稿料を稼いでいたそうです。卒業後、実家の薬局を継いで薬剤師の道を歩み始めた横溝に声を掛けたのが作家の江戸川乱歩でした。


横溝正史の随筆『探偵小説昔話』には「おそらく乱歩が東京からチョッカイを出さなければ、私はそのまま流行らない薬局の主人として生涯を送ったであろう。そして、ときどきヘタの横好き的に創作をやってみたり、怪しげな翻訳で小遣い稼ぎをやったりして、結構満足して一生を送ったにちがいないのである」と記されています。 乱歩の”チョッカイ”により24歳で上京して博文館に入社した横溝。雑誌「新青年」「文芸倶楽部」「探偵小説」などの編集を手掛けたのち、30歳で退社して作家生活に入りました。結核療養生活、第二次世界大戦での疎開生活などを経験し、戦後は代表作の金田一耕助シリーズをはじめ、精力的に小説を発表し続けました。
 
横溝正史館は、1955年(昭和30)に建てられた、約70平方メートル(20坪)の木造平屋建築。客間と書斎はそれぞれ八畳間。また現在は資料展示に使用されている書庫があり、「獄門島」や「八つ墓村」の直筆原稿や「謎の骨格に論理の肉附けをして浪漫の衣を着せましょう 正史」と記された色紙、映画のポスター、家族写真や愛用品などを見ることができます。この懐かしい昭和建築の廊下や縁側には、心を落ち着かせる何かがあるようです。風通しも日当たりもよい縁側に腰かけて短編小説のページを繰るのは、今年の「読書の秋」スタイルにちょうどいいかもしれませんね。
 

横溝正史館
山梨市江曽原 1411-6 TEL : 0553-23-5201
URL:https://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/citizen/docs/yokomizo.html

開館日 土日祝日(年末年始を除く)
午前 10時 - 午後 3時
※入館は午後2時45分まで
入館料 一般100円(高校生以上70歳未満)
※高校生未満・70歳以上・障害者手帳をお持ちの方は無料
アクセス JR中央本線「山梨市」駅から車で7分
中央自動車道甲府勝沼ICから30分
中央自動車道一宮御坂ICから30分

 

 

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