医の散歩道

HOME > 医の散歩道 > 第89回 八王子市郷土資料館 企画展 

2021年
              1月配信

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東京都心から40kmの中核都市、八王子市にある「八王子市郷土資料館」で開催中の企画展をご紹介します。古くは養蚕業が有名で「桑都」の別名を持ち、甲州街道の宿場町として栄えた地域。近年では「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三つ星を獲得し、2020年には文化庁認定の日本遺産に登録された高尾山で人気の街の歴史の一面を探る展覧会です。

 
さまざまな展示物の中、特に「医の散歩道」読者の皆さまにご興味があるものをピックアップしてご紹介します。
まずは安政5年(1858)の医学書「コレラ病論」。安政のコレラ大流行時に出版されたものです。当時の江戸では、"虎列剌"(コレラ)の表記が一般的だったそうですが、ここでは近代的に片仮名で"コレラ"と記されています。一方、民衆の間ではコレラの根源を「管狐」とする説が根強く、この狐に対抗する武州三峰神社の眷属「御犬様借用」という儀礼も盛んにおこなわれたそう。「御犬様」に関連した展示からは、即死病と恐れられたコレラ大流行時の藁をもつかむ心情が見えるようです。また、嘉永2年(1849)出版の『牛痘発蒙』の扉絵には、奇しくも今年の干支「丑」に跨り天然痘の悪鬼を踏みつける「保赤牛痘菩薩」が描かれています。著者は牛痘種痘の普及に尽力した桑田立斎(1811-1868)です。
 
日本での最初のペストは明治32年(1899)の神戸港に入った船舶からの感染からと言われています。左記掲載の「ペスト愈(いよいよ)来れり」は明治35年に出されたもので予防方法が挙げられています。中には「衆人群衆する場所には可成(なるべく)出入せざる事」とも記載されており、密を避ける行為が今も変わらぬ感染予防の第一歩ということがわかります。

東京オリンピック開催の記念事業の一つとして計画され、昭和42年(1967)に開館した同館は、八王子医療刑務所跡地「歴史・郷土ミュージアム」としての開館が予定されています。開館までの間、日本遺産や「歴史・郷土ミュージアム」の情報発信拠点の展示場として仮移転するとのこと。同館に思い出のある方はもちろん、どっしり、ひんやりと宝物蔵のような昭和の博物館がお好きな方も、ぜひお早めにご訪問ください。現在「市民とともに53年―郷土資料館との思い出リクエスト展―」も同時開催中です。
 

八王子市郷土資料館
東京都八王子市上野町33 TEL : 042-622-8939
URL:https://www.city.hachioji.tokyo.jp/
kankobunka/003/005/p005312.html

開館時間 9:00~17:00
入館料 無料
休館日 月曜日(祝日の場合は開館)・祝日の翌日・年末年始
アクセス JR八王子駅南口から徒歩15分
JR八王子駅南口からバス「東京家政学院」行、「上野町三丁目」
下車徒歩3分

 

 

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